ハンナラ党が国会外闘争に出た。反面、金大統領と民主党は野党の攻勢に押されてはならぬと
ばかりの強硬姿勢だ。すべての問題を国会で原則通りに解決しようということだ。我々は、国会が国政の中心になるように野党はできる限り、国会外闘争を自制することを要求してきた。しかし最近、金大統領と与党が言っている一方的な国会内原則には同意しがたい部分がある。
金大統領は一昨日、放送三社との対談で、政治がうまく機能していないと嘆いた。しかしその
嘆きの解消策が野党に対する強硬一辺倒だとしたら、政治の現実に対する安易な認識の結果ではないかと憂慮せざるを得ない。我々は野党の揚げ足取り式の非難や闘争形態に呼応する考えは微塵もない。しかし、現在野党が国会外闘争の理由として上げている事柄に照らし合わせてみると、政府与党が責任意識を感じているどころか、合理的な対応策さえも提示せずに、国会内の原則だけを押し通すのは無理があると思われる。
まず与党の指導部の選挙費用実査介入疑惑を、失言として片付けることができるのか、もう一度聞きたい。
党の組織業務を総括してきた事務副総長が、このように敏感な事柄に対して失言をしたと信じる国民は殆んどいないだろう。そうであるなら当然、国政調査であれ特別検事制であれ疑惑を解く対策を提示し、野党と協議するのが道理だ。野党が主張したからと言って何でもかんでも政治攻勢だとはねつけるのは、決して相生の政治だとは言えない。
政府、与党は国会の国政監査で解決できる問題に、あえて国勢調査や特別検事制度を開く必要があるかと言っている。しかし国政監査で解決できる問題があり、そうできない問題がある。まして与圏の現実認識がこれでは野党を説得することも、国民を納得させるだけの成果を期待するのは難しいだろう。
金大統領は国会の行き詰まり事態と関連、(国会は)合意するときは満場一致で、さもないときは票決でするのが原則だと語った。しかし国会の異常事態を呼んだ国会法強行採決は、その過程の問題以前に総選挙での民意を歪曲する根本的な問題である。問題の本質を直視せずに形式だけを強調するという印象はそう簡単に消しがたい。のみならず強行採決はいかなる理由であれ許されないものではないのだろうか。
事情がこのようなのに、与圏は今まで、内部刷新の形跡や認識転換の努力を見せることさえしていない。与圏は今からでも現実をありのままに見なければならない。ハンビッ銀行の不正貸し出し事件等政権の道徳性と直結する問題が横たわっている。内政がうまく機能しなければ、南北問題の成果も期待できないという事をわからなければならない。