政府の改編案を見ると、一言で過去に比べ庶民の税負担を軽くするための配慮は減り、税收目標達成のための徴税便宜主義に重点を置いたという痕跡が歴然としている。特に輸出促進、庶民生活安定等、特定政策目標を達成するための努力は今回の税制改編案のどこにも見当たらず、遺憾の限りである。
基本的に間接税部分の税率引き上げが庶民を無視している代表的な証拠だと言える。たばこや液化ガス(LPG)は、庶民であれ高所得者であれ使用者が同じ税金を出すという点で税率引き上げは低所得者層に相対的に不利だ。LPGが高級乘用車には使用されていない燃料だという点で、庶民に対する一種の冷遇性の税率調整だと言うことができる。
目を凝らしてみると、政府が外貨危機以後、更に拡大した貧富の格差を解消するために導入した措置がほとんど見受けられないということがわかる。低所得者に対する援助が構造的にそして持続的に行なわれるよりは単発で終わり、それも関連予算が削減されたことは遺憾である。勤労所得者に対する税負担輕減のために適用税率を一部下降調整したが、しかしまだ高所得者に対する税負担に比べたら相対的に不公平なのは事実である。
本紙がたびたび指摘してきたが、目的税をそのまま生かしてあるのも、政府の改革の意志を疑わせる部分だ。𨥉育税等、政府が税制改革次元で今年の年末まで存続させることを自ら国民の前に約束した事案であるが、関係部署間の異見で今後も5年間はこのまま行くという事である。予算運用の硬直性だけが高くなり、また正しく使われているかについとの検証もなされていない目的税の時限を延長することは,政府の徴税便宜主義と部署間の利己主義を克明に見せてくれる事例だ。
殘念な点は今回の税制改編案と予算案で我が国の経済の国家経済力を高めるために一番重要で緊要に要求される企業の生産意欲と勤労意欲鼓舞のための配慮が目につかないという点だ。研究開発(R&D)は、我々の次世代が安心してくらして行ける準備をする大切な仕事であるのにこの分野に対する生産的投資はむしろ減少した、と分析する。ベンチャー企業を積極支援すると公言しても、支援予算を反対に削減したのがいい例である。
税制改編は公平な税負担の土台の上に財政需要を合理的に充足させるレベルでなされなければならず、この時もっとも優先的に考えなければならない対象は庶民である。これから党政協議の過程でこのような問題が正されることを期待する。