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[社説] 環境ホルモン、軽視している場合ではない

[社説] 環境ホルモン、軽視している場合ではない

Posted September. 06, 2000 18:48,   

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4匹の魚と1匹のカエルから性別が入れ替わる現象が観察されたとの環境省の調査結果は深刻に受け止めざるを得ない。特にメスがオスに変わるという現象が一個所だけでなく、数箇所で現れたという報告は我々に恐怖心すら抱かせる。なぜなら環境ホルモン(内分泌系撹乱物質)の影響とみなされているオスメス変異の全国的な現象は、全国の土壌、土質、大気がすでに生態系を撹乱させるほど汚染されていることを意味し、最終的には人体にも影響を及ぼすことまで心配されるからである。

環境ホルモンは人体の免疫機能や神経系を撹乱し、さらに精子数減少現象など生殖器にも影響を及ぼすことで知られている。もちろんまだどんな物質が環境ホルモンで、人体に及ぼす影響がどれほどなのか正確には明らかになっていない状態だ。しかしながら我々が環境ホルモンを憂慮せざるを得ない理由は、環境ホルモンが体内に蓄積され、最終的には癌のような疾病に悩まされうるというところにある。実際、発癌性物質として知られているダイオキシンが産母の最初の母乳である「初乳」から摂取基準量の24〜48倍も検出され、1971年に使用禁止になった殺虫剤DDTの変形物質であるDDEが最近も検出されたという食品医薬管理庁の報告もある。

また、環境ホルモンは発生原因が多様なうえに残留性質がある点も問題だ。様々な経路で人体に流入しうるのである。ゴミなど廃棄物の焼却時にでるダイオキシン、農薬類、水銀、鉛、プラスチック可塑剤など、多くの物質はそれぞれの性質によって大気中を漂ったり、土壌や水に浸透するなどして、農産物や化学製品に残留する場合がある。

環境ホルモンは徹底した環境保護と管理がなければ生態系や人体を撹乱し続けることになる。環境省は今回の調査で各種環境ホルモンの1日の摂取許容量が国際基準にははるかに及ばないと分析している。また日本に比べても全般的に検出物質数や検出量が低いと発表している。いまだに韓国には環境ホルモン管理基準や摂取安全基準などがなく、まずは実態を把握したというところだ。それなりに評価するべきだが決してこれで安心してはいけない。

環境ホルモンの管理は政府による対策が必要だ。環境省が推進している環境ホルモン管理基準と食品に対する環境ホルモン蓄積調査、安全基準設定など特定有害物質管理特別法の制定以外にも汚染排出企業の取り締まり、農水産物調査、農薬管理、排気ガス検査、化学製品管理など神経をとがらせるべきことは一つや二つではないはずだ。