精子の数を減少させ、人体の免疫性を弱化させるといわれている環境ホルモン(内分泌系障害物質)がわずかな量ではあるが、韓国全域にかけて広範囲に検出された。
特にバンウォル工業団地の場合、他の地域に比べダイオキシンが多量検出され、直接的な相関関係は明らかではないが、一部地域の魚とカエルの生殖器の一部からは異状現象が見られた。
環境省は、去年4月から今年8月までの17ヶ月間、生態系と環境を対象に環境ホルモン残留実態を調べた結果、水質、底質(河川や湖沼の底に積もっている物質)、大気、土壌など113の地点から環境ホルモンと推定される13の物質群、28の物質(調査対象37の物質群、87の物質)が検出されたと5日発表した。
政府が環境ホルモンの残留実態を調べたのは今回が初めてであり、世界的には日本に続き2番目である。調査対象となった37の物質群からもっとも問題となるのはダイオキシンで、水質と底質からは極微量が検出されたが、大気と土壌からはそれぞれ0∼4.448pgTEQ/N㎥(ピコグラム毒性等価量)、0∼22.439㎍/㎏がそれぞれ検出された。これは日本の平均値である0∼1.8pgTEQ/N㎥に比べても2.5倍ほど高いレベルである。1pg(ピコグラム)は1兆分の1gである。
特にキョンキド・アンサン市のバンウォル工業団地の大気からは、最高8.624pgTEQ/N㎥(平均2.726pgTEQ/N㎥)のダイオキシンが検出され、工業団地地域が近くの商業および住居地域(平均0.392pgTEQ/N㎥)より環境ホルモンに露出される危険性がはるかに高かった。
韓国の代表的な生物であるカエルと魚を対象にした生態影響調査では、ダイオキシンとヘクサクロロベンゼンなど21の物質群、45の物質(調査対象35の物質群、85の物質)が検出された。