シドニ−・オリンピックは15日開幕するが、世界各国からの報道陣の取材熱気は既に頂点に達している。東亜日報の姉妹誌である朝日新聞も23人の記者と通訳、管理職員などを派遣し、シドニ−現地から時々刻々発生するニュースを日本に送るために、とても慌ただしい様子である。
この中でも、韓国語通訳を担当している在日韓国人2世の徐清香(ソ・チョンヒャン・36才・写真)さんのシドニ−・オリンピックへの思いは特別だと言える。日本記者と共に南北同時入場を取材するソさん自身が'離散家族'であるためだ。在日留学生だった叔母さんが北朝鮮に渡って以来、連絡が途絶えてしまったという。
「叔母は今、ピョンヤンに住んでいます。時々連絡はしていますが、それ以上の交流は不可能です。亡くなる前にぜひ一度は会ってみたいんです」
そのためか、ソさんは南北問題に関しては記者よりも熱をあげている。選手団や役員、あるいは韓国の記者から情報を得るため、トレーニング場や記者席を動き回っているソさんの姿がよく目につく。
ソさんが朝日新聞社で通訳を担当したのは今年で7年目。前は日本テレビと毎日新聞社で通訳をした'ベテラン'だ。大学4年生の時の1987年、ソウル・オリンピックを控えて放送局に就職し、通訳を担当したのがきっかけになった。その後、主にスポーツ関連の取材の通訳をしたので韓国スポーツ界の事情に詳しい方。特に、男女バレーボールや柔道の選手からは'お姉ちゃん'と呼ばれいるほど個人的にも親睦を深めてきたという。
朱性元(チュ・ソンウォン)記者 swon@donga.com