戦争と分断で絶たれたキョンウィ(京義)線と道路を復元する起工式が行なわれたことで、南と北は平和と和解、そして共同の繁栄へと進む初めてのスコップを手に取った。
南北の軍事力が集中している非武装地帯を貫通して通る鉄道と道路ができることは事実上、休戦ラインの地雷地帯と鉄柵が部分的に崩れる結果をもたらす。ソウルから非武装地帯を経て、開城(ケソン)、平壌(ピョンヤン)、新義州(シンウィジュ)に続く鉄道について平和と繁栄を積んで運ぶ機関車が走り始めれば、朝鮮半島でその分、戦争の危険性も減る事になる。
キョンウィ線連結事業は民族経済の均衡した発展のために、莫大な費用をかけなくても実質的な結実の多い南北協力プロジェクトだということができる。
ケソン工団等、北朝鮮に進出する韓国企業は陸上運送を通して、海上運送よりも物流費用を半分以下に押さえることができる。原資材の北送と完成品の韓国搬送費用が低くなれば、ベトナム、インドネシア、中国等に進出している労働集約型産業の北朝鮮進出が活発になるものと期待される。このようになれば、韓国の斜陽産業と北朝鮮経済に同じく利益をもたらすだろう。
そればかりでなく、韓国の鉄道と中国横断鉄道(TRS)とシベリア横断鉄道(TRS)との連結が可能になり、長期的には日本も韓日海底トンネル建設に関心を持つ契機になるものと予想される。
非武装地帯の地雷除去と道路開設のための協議過程で、南北の軍事分野の接触が活発になるものと期待される。南北両者で地雷除去のための特殊工兵団と鉄道、道路を作る建設工兵団が近接した距離で作業をするとしたら、相互通報と協力が絶対条件だ。香港で開かれる国防相会談においてもこの問題についての実質的な論議がなされなければならない。
キョンウィ線復元の意味を高く評価しながらも、野党等わが国の社会の一角に存在する懐疑的な視角にも留意せざるを得ない。軍事的緊張緩和と平和体制を築く以前に、休戦ラインを貫く鉄道と道路を建設することに対しては、国会で充分な議論と共に国民的合意の中で進められてこそその輝かしさを増すだろう。
国会が開けない状況で、野党の総裁が参加しない起工式が行なわれたことは残念なことだ。今後国防委と予決委等で、この問題に関する充分な議論がなされなければならない。
鉄道と道路が侵略路になるという主張があるが、これは国防当局が多角的に考慮すべき問題で、必要以上に公論化することは望ましくない。ただし、地雷除去は工期に縛られずに、将兵の安全第一で作業を進めなければならない。
特に願うことは今、嶺南(ヨンナム)等南部地方では台風の被害が大きく、農民たちが嘆き悲しんでいる中で必要以上の費用をかけて起工式が豪華イベントにならないように格別な配慮があることである。