テルン(泰陵)選手村のジャン・チャンソンさんの「サウナとの戦い」は1966年にかけのぼる。その年開かれた世界レスリング選手権の金メダルが体重次第で左右される状況で、彼は何としてもという、精神力でサウナに入り、100gの差で世界チャンピオンになった。その2年前の東京オリンピックでも銀メダルを獲得した彼が、厳しい訓練の後のサウナでの試練に勝つ事ができたのは、世界一になるという彼自身の意志のおかげだった。スポーツ選手でなくても心に刻んでおきたい精神力と執念である。
ドリームチームという名でオリンピックに参加した韓国野球チームの一部選手が18日夜、カジノに行ったという。あきれたものである。結果論ではあるが、翌日の世界最強のキューバを迎えての試合は「もう少し試合に集中していれば」という具合の試合であった。1996年のオリンピックでも韓国選手団は物議を醸し出したことがある。野球監督は相手チームとの握手を拒み、ある柔道選手は観衆に挨拶もせず退場した。また、バスケットボールチームは二日酔の状態で試合に臨んだ。「マナーはスポーツの基本」という話が出たのもその時である。今は、オリンピック選手団の副団長であるジャン・チャンソンさんはどんな心境だろうか。
尹得憲(ユン・ドゥクホン)論説委員 dhyoon@donga.com