22日から始まる金大中大統領の訪日は、就任後、既に3回目となる。日本首相の訪韓をあわせると両国の首脳間に6回目の相互訪問と首脳会談が行われることになる。それだけ両国の関係がいつにもまして清明であることを示している。
今回の訪日は国賓としてではなく、96年のチェジュ(済州)、97年の日本の別府での会談に続き温泉観光地で「ノータイ」で会談するための実務訪問である。したがって、両国の首脳は今回の会談で本音を言い合えるのではないだろうかと期待されている。
金大統領の訪日の目的は大きく3つに分けられる。
まずは、友好協力関係をより強固たるものにすることである。特に、南北首脳会談以降急変している朝鮮半島および北東アジアの情勢に対して共感帯を拡大し、共助体制を再確認するということに大きな意味がある。
金大統領が、最近日本の連立与党3党の幹事長や日本のマスコミに促している在日韓国人の参政権問題も関心事である。10月ソウルで開かれるアジア欧州サミット(ASEM)と11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)、東南アジア国家連合(ASEAN)+3(韓国、中国、日本)首脳会議など多国間の舞台での協力についても話し合う方針である。
2つ目は、セールス外交である。経済危機説が広まっている中、何よりも重要な課題だ。金大統領の訪日を控えて両国の政府は金大統領の残りの任期中に70億ドル相当の対韓投資を誘致するということに意見を共にした。
金大統領は訪日初日、日本の主要経済関係者と晩餐を共にし、韓国への投資拡大を直接要請することにしたのもこのためである。金大統領は南北経済協力の活性化による朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)への投資拡大も求める予定だ。
しかし、日本の一部マスコミが取り扱っている両国間の海底トンネルについては、まだ環境が整っていないという判断から、今回は議論しない方針である。
3つ目は、文化交流および人的交流の拡大である。2002年のワールドカップサッカー大会と日本文化3次開放を契機に、両国の交流とチャンネルをより多様化しようという事である。