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文化の危機

Posted September. 29, 2000 11:35,   

한국어

全世界で使われている言語はおよそ6000種類であると推定される。言葉の種類がこんなに多いということは、それだけ私たちの知らない少数民族が地球上にいるということでもある。問題は、少数言語が急速に「滅びて」いるということである。70年代までも8000種に達していた言葉はわずか20年で2000種も減少している。インターネットの普及により、その消滅は一層スピードを増し、今の半分までに減少するだろうと見ている。

→言葉がなくなるということは文化的多様性が減少することを意味する。少数民族は言葉を亡くすと共に固有の文化まで失う可能性が高いからだ。誰よりも弱者である彼らは、生き延びるために固有の言語と文化を放棄し、グローバル化の波に乗っているのである。現在の世界化は強大国中心に行われているので、長期的に見れば強大国以外の国も同じような状況なのである。

→グローバル化が進めば進むほど現れてくるのが文化の画一化現象だ。アメリカのハリウッド映画やコカコーラ、マクドナルドハンバーグ、CNNニュースが世界の至る所を「占領」していることからもわかる。生物の多様性が崩れれば生態系全体が脅かされるように文化の多様性が失われれば、数万年間蓄積されてきた人類の文化や精神世界は危機を迎えることになる。フランスの社会学者ピエール・ブルドエは特に文化的側面で世界化と新自由主義を反対してきた代表的な学者である。26〜28日、ソウルで開かれるソウル国際文学フォーラムに参加するため訪韓した彼は、世界化に伴う「文化の危機」について強調した。

→彼は自由交易が一般的に行われたことで、文化的に後れを取っている国々は文化的特殊性を守り抜くごとが難しくなったと嘆いた。作家や知識人が長い歳月をかけて得られた芸術の自主性が、世界化の商業論理により脅威にさらされているとも話した。彼の指摘は、世界化を時代の流れとして受け入れてきた私たちには新鮮な観点を提供した。IMF総会が行われたチェコのプラハでは世界化に反対する大規模なデモがあった。文化的伝統や固有性を守り、発展する事は世界化実現よりも先に私たちがやっていかなければならない重要な課題である。私たちの文化の現実をもう一度ふりかえてみる機会になる。



洪贊植(ホン・チャンシク)論説委員 chansik@donga.com