民主党の金成鎬議員が、北朝鮮の韓国に派遣したスパイに対比する韓国の'北へ派遣した工作員'366人のリストを公開したことによって微妙な波紋が生じている。
政府当局はこれと関して是認も否認もできず困っている。'北への工作員'の是認は、韓国が北朝鮮を批判する時に使う極まり文句'停戦協定の違反'を自ら認めることになり、反対にこれを否認する場合は、最近あった、北朝鮮から派遣され捕まったスパイの北朝鮮への帰還と比較され「韓国政府は無責任だ」との批判も受ける可能性があるからだ。先月北朝鮮へ帰還した韓国に転向しなかった長期囚63人のうち46人(73.0%)は韓国に派遣されたスパイだった。
北への工作員を養成し派遣した機関は'HID'と呼ばれる陸軍諜報部隊だったという。金議員側が公開した資料によると、'HID'の1‾3期366人のうち232人は1953年停戦協定が締結されてからも工作活動を続けたという。この中で2期生だった金さんという人は1953年2月15日選ばれ1956年9月18日解雇(失踪)されるまで1311日間活動した。
北への工作員は戦争孤児や屑拾い、貧農、都市貧民などの疎外階級の出身が多く、北朝鮮出身も76.7%(281人)に達した。特に、北朝鮮出身のうち70.4%の198人が黄海道出身だったという。北朝鮮に派遣された当時の工作員の平均歳は25才で、20代が40.4%、30代が19.4%、40代以上が3.2%だった一方、10代も27.3%もあった。2期生だったある李さんは派遣当時14才に過ぎなかったし、また先程の金さんは52才だったという。彼らの主要任務は重要施設の爆破や、後方撹乱、機密収集などだったという。
金議員側は「1972年'7・4南北共同声明'の前まで北朝鮮へ派遣された工作員のなかで失踪、死亡、生け捕りされたため帰還できなかった工作員の数が7726人に達するものと把握している」と言った。
夫亨權(プ・ヒョングォン)記者 bookum90@donga.com