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[社説] なぜ急ぐのだろう

Posted October. 04, 2000 11:24,   

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政府は今日、板門店で南北両側の指定銀行間に対北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)への食糧借款契約を締結し、即北朝鮮に食糧を送る計画だと言う。北朝鮮に支援することになっている食糧60万トンのうち、中国産トウモロコシ2万トンを積んだ船は今日、中国のダレン(大連)港から出発し、5日中には北朝鮮のナンポ港に到着する見込みだ。北朝鮮への食糧支援は仕方ないとしても、政府はどうしてこんなに急いでいるのかわからない。

これまでも専門家やマスコミでは、北朝鮮への食糧支援に先立って確認すべきことは確認し、国民の了解を得るべきことは得るなど、それなりの手続きを取るべきだと言うことを数回にわたり指摘している。しかし、政府はこれを無視したまま、先へ先へと進んでいる。

まずは、北朝鮮内での食料生産規模や必要量、国際社会の支援実態、これまで支援された食糧がきちんと配分されたかどうかを正確に調べるべきだ。

世界食糧機関(WFP)を始めとする国際機関は、刈入れ時を迎えて、北朝鮮での現地実態調査をしている。その結果によって支援量を決める国際機関と比べ、韓国政府はこのような過程もなしにとにかく支援を急ぐばかりだ。

また、ほとんどが借款による支援なので、契約履行条件の保証を明確にすることも重要だ。特に提供される食糧の分配を透明にするための具体的な方法について合意に達していないまま、食糧を支援するということは理解に苦しむ。政府関係者は透明性の確保は食糧支援を始めた後でも交渉できるとしているが、最近の北朝鮮の態度からして果たしてそれが可能なのだろうか。

いくら南北交流協力基金からの支出だとはいえ、食糧支援には国民の同意が必要だというのが一般的な意見であり、その具体的な方法は国会で議論すべきである。遠からず国会が正常化する見込みであるため、国会で与野党が十分に検討した上で支援すれば、形としても良いはずである。

食糧支援が人道主義レベルで行われるのであれば、韓国も北朝鮮に拉致されたものや国軍捕虜送還など人道主義的要求を堂々と行うべきだ。

特に、大量の食糧支援を契機に、南北の食糧政策当局が北朝鮮の食糧難の根本的な解決策を共に模索する必要がある。毎年、食糧を支援するよりは、食料増産能力の育成がより必要である。営農技術開発や種子改良、そして肥料生産に対する支援策をたてる方が望ましいのではないだろうか。