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[論評] ‘政治'よりは`政策`を

Posted October. 13, 2000 12:58,   

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人間には過去のことを余りにも簡単に忘れる性向がある。個人的な出来事も国家的な出来事もそうである。過去の辛かった経験おいてはなおさらのことだ。

景気の良い時は不況の時のことは忘れやすい。40坪のアパートに住んでいる人は、20坪のアパートを借りていたことを忘れようと頑張る。二度とそんな経験はしたくないのではないだろうか。

といっても、好況が過ぎればいつかは不況になるようになっている。好況期が長くなり、不況期が短くなることはあっても、好況期だけが続くのは期待できないだろう。過去になかった好況を謳歌しているアメリカも例外ではあるまい。最近のアメリカの株式市場がこの教訓をよく物語っている。

最近の景気サイクルは過去のとは違う。特に韓国では1980年代の後半から景気の流れが大きく変わったのだ。しかし、好況と不況が入れ替わるサイクルが変わったわけではない。周期が変わったのだ。

景気サイクルの周期が大統領の任期のそれと同じくなった。正確に言えばノ・テウ大統領が執権してからそうなった。政権初期の好況が、後半期になるにつれ不況に変わってくる。

株価も同様だ。政権の初期に上がり始めた株価は、執権の後半期になるにつれ下り坂をたどるようになる。集権の初期に経済へのテコ入れ策をとったものの、効果はそう長続きできなかったのだ。

ノ・テウ政権の時には、住宅200万戸の建設が景気を支え、キム・ヨンサン政権の時には、新経済100日計画をもって景気を支えた。今の金大中政権ではベンチャー・ブームが一役買った。ベンチャー・ブームは経済危機を克服する主役として称えられるほどだった。

景気によって大統領の人気も左右された。執権の初期には全幅的に支持を受けたのが、後半には急落するパターンだった。最近の景気が急落していることから、今の支持率が非常に低くなったことが分かる。金大中大統領が身を持って経済を監督すると乗り出すほどだ。

しかし執権者が人気を得るため、景気を任意に調節するのは国家経済に対し甚だしい悪影響を与えることになる。景気の加熱が物価上昇をもたらし、景気の停滞が深刻な失業事態を生んだことも経験済である。

アメリカの中央銀行である連邦準備制度理事会のグリンスパーン議長のもっとも重要な役割は大統領の景気調節への欲望を抑えることである。そのため人気を得ているといっても過言ではないだろう。彼は`経済大統領'として金利や通貨の主要政策を独立的に調節している。

昨今の韓国の経済は急傾斜の下り坂をたどっている。アメリカだけでなく韓国経済の軟着陸を心配しなければならない。ベンチャー・ブームが消え、株式市場が冷え込んだからだ。

最近取りざたされている新都市の建設計画は、景気を回復することが目的のようだ。景気を回復させる効果は、建設部門がもっとも多いからだろう。しかし、こういう政策が景気の回復に本当に効果があるかどうかは疑問でならない。

新都市の建設による資材難などの逆効果はともかく、景気を回復させるとの目標も簡単には達成できないだろう。デジタル経済で景気を回復するためには、情報通信分野の技術開発を誘導するか株式市場を育成するのが近道だと思われる。未来の国家競争力を育てるためにも資源をより効率的な分野に集中させることが必要な時である。

執権期間中、目先の景気を回復させる`政治'ではなく、長い目で将来に備える`政策'を選択する知恵に期待してやまない。



朴永均(パク・ヨンギュン)記者 parkyk@donga.com