Go to contents

[ノーベル賞受賞以降の韓国]

Posted October. 16, 2000 12:07,   

한국어

金大中(キム・デジュン)大統領のノーベル平和賞の受賞は、朝鮮半島の平和定着と南北関係の改善を一層後押しするであろう。特に、朝鮮半島をめぐる北東アジアの外交において韓国が主導権を握るきっかけにもなるものと見られる。

ノーベル委員会は、14日、平和賞授賞決定の理由として、「金大統領は対北抱擁政策をとり、南北間において50年以上続いている戦争と敵対関係を克服すべく努力した」と評価した。これは、金大統領が進めてきた朝鮮半島冷戦体制の解体構想を国際社会が公認した事を意味する。

朝鮮半島の問題が地域間の利害構図の中にあるということからすると、金大統領のノーベル平和賞受賞は、「朝鮮半島問題の当事者解決」という名分に一層力を副えるに違いない。

これにより、金大統領は、国際的支持と後援を基に、南北の和解のムードを一層強固なもにし、平和統一のための環境造成により積極的に取り組むと見られる。また、対北政策に対する一部の批判論からもより自由になり、南北共同宣言の履行に全力を注ぐ見込みだ。

特に12日の米朝共同コミュニケを通して新たに進められる米朝間の関係改善とともに、北朝鮮を正常的な国際社会の一員にすることに一助できる事と思われる。

外交安保研究院のソ・ドンマン(徐東晩)教授は、「金大統領のノーベル平和賞受賞は、米朝の関係改善とかみ合って短期的には相乗効果をもたらすだろう。来年の春頃と見込まれている金正日総書記の韓国訪問までに朝鮮半島は急流の真っ只中にあるだろう」と見通した。

ソ教授は、「南北関係の進展と米朝関係の進展が加速すれば、日朝関係がそれに続くかのようにスピードを出す。これは、これまで北朝鮮との関係改善のためにすすめてきた“ペリープロセス”が一段階発展し、“平和プロセス”へと変化した事を意味する」と話した。

これは、金大統領のノーベル平和賞受賞を契機に、朝鮮半島に注がれる事になる国際社会の視線が、北朝鮮の対外関係改善の動きが「戻れない地点(Point of No Retrun)」を渡らせる拘束力を持つ事になると言うことだ。

しかし、ノーベル平和賞の受賞が、南北関係や北朝鮮の対外接触に対しては一助するかもしれないが、これを保障する文書ではないと言う事から、現実に満足してはいけない、と言う指摘も多い。アメリカや日本をはじめとする国際社会の北朝鮮との接触が、南北関係を萎縮させないよう、十分に戦略を立てるべきだと言う指摘もある。また、南北関係において「スピード」を出したのが、ノーベル賞を受賞するためだったという一部の疑惑を払拭するためにも、中身のある対北政策を繰り広げるべきだ、と専門家は話す。



金影植(キム・ヨンシク)記者 spear@donga.com