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[コラム] 大宇自動車回生の道は海外売却のみ

[コラム] 大宇自動車回生の道は海外売却のみ

Posted October. 17, 2000 11:46,   

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今週開かれるアジア・欧州連合首脳会談(ASEM)に、韓国の自動車会社とヨーロッパの自動車会社は、先を争って儀典用自動車を供給しようとしたという。ドイツのベンツとBMW、そして韓国の現代自動車では最高級の自動車はもちろん、各国の首脳のために防弾自動車をも用意したとのこと。このような内容が知られたのは、自動車の消費行為そのものが公開的であり、象徴性が強いことから世間の注目を集めるからだ。

自動車産業は世間の関心はもちろん、一国の経済においても莫大な影響を及ぼす重要な産業である。韓国の自動車および関連産業は、全体雇用人口の7%を占めているあらゆる分野への関連効果が高い産業であり、貿易収支にも100億ドル以上も寄与し、半導体とともに韓国経済の牽引車の役割を果たしている。

アメリカや日本、ドイツなどの先進国では自動車および関連産業に勤めている人口が、総就業人口の12%を占めるほど韓国よりもその依存度が高い。ハイテクやサービス産業が発達したアメリカ、日本、ドイツも「煙突産業」と呼ばれる製造業の自動車産業をあきらめきれない。その理由は、雇用効果の面で、自動車産業を代替するほどの産業がまだないためだ。

フランス政府は、1980年代に危機に直面したルノ自動車を一時的に公企業化し、雇用を維持した。結果、今日のルノ自動車は成功裏に正常化しただけでなく、日本のニッサン自動車を買収するまでに至っている。また、ドイツのフォルクスワーゲンは、一時雇用を続けるために州政府が出資しており、周4日勤務制度を実施した事もある。韓国も雇用だけの事であれば、大宇自動車を公企業化するのが望ましく、労働者もこれを希望するだろう。

ところが、私たちは競争力と言うもう一つの変数を忘れてはいけない。今日、世界の自動車市場にはおよそ2000万台の自動車が過剰供給されており、日増しに価格競争が熾烈になっている。価格競争に勝つためには、買収合併を通じて規模の経済をより拡大しなければならない。このため、いわゆる「メガメーカー」が相次いで誕生しており、一つの企業が生き残るための「経済的生産規模」も200万台から400万台に増えている。この過程で1980年代までも世界的な企業だった日本のニッサンや三菱、MATSUDA自動車が競争力を失い、結局外国の自動車会社の子会社に成り下がってしまった。

今日のような激しい競争の中で、確かな優位要素を備えていない大宇自動車を公企業化するとしても、正常化する可能性は無に近い。競争力の面に重きを置くのであれば、売却代金を多少安くしてでも、大宇自動車を外国企業に売却し、世界の自動車産業の中に編入させたほうがいい。

これまで韓国の産業政策は雇用を最優先にしてきた。その結果、乱脈状が人為的に隠されたまま、企業は引き続き物量競争をし、問題があからさまになった時は、すでに回生不可能の場合がほとんどだった。1990年代に入っては、韓国の自動車会社も自社の能力や内需市場の規模は考慮せず、それぞれ200万台を生産できる設備を目標に物量競争を繰り広げた結果、現在のような事態を招いたのである。その結果、おびただしい公的資金を投入し、韓国経済の負担と化している。

今の私たちは雇用と競争力ともに満足できる方法はない。二つのうち一つを選ばなければならないのであれば、競争力強化に重点を置くべきだろう。大宇自動車を売却はするが、一定期間だけ雇用安定を保障してもらう方向で交渉を進めれば、売却によって発生する副作用もある程度は低減できるはずだ。

隣国日本ではわずか数年間に5つの自動車メーカのうち、3社が外国に買収された。日頃、外国人の投資に非協力的だった日本の通産省が、今回は非常に積極的に買収合併を支援したという。

このような事実は、今日自動車産業の競争がどれほど激しく、世界経済の中に編入する事がどれほど重要なのかを別の角度から示唆する。