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韓国のベンチャー企業を考える(2)

Posted October. 24, 2000 12:18,   

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「社長が会社の資金の一部を使ったことがそんなに悪いことなんですか」

かなり名の知れたベンチャー企業A社のK社長は精神的ストレスを受けているという。職員が彼の退陣を要求しているためである。

揉め事の原因は度過ぎた酒宴の接待費用。K社長が取引先の人々と会う度に1回に1000万ウォンを越す酒宴代を多く負担したことが知られ問題になった。海外出張の時にも、飛行機の1等席を利用した上で、特級ホテルのスイートルームに泊まったことも取り上げられた。

複数のベンチャー企業が共同投資して設立したB社のL社長は、‘会社の資金を自分のお金’のように思っているケース。会社から随時に仮支払をしてもらって大きなアパートへ引っ越した一方、留学中の子女の小遣いまでも賄ったという。投資社らは自分の意志で辞退する形で社長を解任するなど事態収拾に乗り出したが、会社は主要人力の離脱のため深刻な後遺症で苦しんでいる。

韓国科学技術院(KAIST)出身のある社長は家族の結婚の費用の6000万ウォンを法人カードで決済した上、執務室に秘密のホームバーまで作ったことが、批判されている。

ベンチャー業界が深刻なモラルヘジャード(道徳的緩み)のため、揺れ動いている。

韓国デジタルラインの不渡り事件からも見られるように、一部のベンチャー企業家のモラルヘジャード現象がベンチャー企業の危機を扇ぎ立てている。会社が成長し、うまく行っているとき時、投資者からもらったお金で最高級乗用車を乗り回し、毎晩酒宴を開きの資金を使い尽くした企業は、資金不足に苦しみ、経営陣や職員、株主から背を向けられる内憂外患に呻いている。最高経営者(CEO)らは追加投資金を誘致するため東奔西走しているが、投資市場はいたって冷ややかな雰囲気だ。

ベンチャー企業のある職員は、「年初めにもらったストックオプションが全て紙切れになってしまった。社長が毎晩高級飲み屋でチップを撒き散らした話を聞いて、私はなぜこんな会社に入ったのか、情けなくなる」と嘆いた。

金融や芸能界などの本来の事業とは無関係な分野に事業の領域を拡充したあるベンチャー企業家をめぐって、外貨の逃避や豪華生活に関した疑惑も後を絶たないでいる。有償増資の持ち分を大手企業に譲渡したインターネット会社のある社長は個人の財産が数千億台にのぼるとの話もあれば、ベンチャー1世代と分流されるY社長とK社長はそれぞれ、ロサンゼルスとパリに豪華な別荘を持っていることも明らかになった。韓国の一部のベンチャー企業家は、アメリカのシリコンベリーにあるスタンフォード大学周辺の高級住宅街の不動産を購入することに躍起になっているという実状だ。

技術力の包装と偽りの発表で投資者を欺瞞することも日常茶飯事のことだという。建設関連のB2B会社であるE社のC社長は3月、「会社を設立して6ヶ月ぶりに100億ウォンの売り上げを達成した」とマスコミに公開したが、当時の売り上げは皆無の状態だったことが知られ、株主達が刑事告発を準備している。

ベンチャーコンサルティング専門会社のビズハイのハン・サンボクパートナーは、「資本金が数十億ウォンにも達していないベンチャー企業の経営陣が、接待をするために一夜に1000万ウォン以上も使ってしまうことは想像もできない。こうしたベンチャー産業の危機を乗り越えるためには、もちろんバブルの除去も必要だが、業界全般に広まっているモラルヘジャード現象から根絶しなければならない」と力説した。



キム・テハン記者 freewill@donga.com