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[時論] 朝と米の破格外交

Posted October. 25, 2000 12:25,   

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オルブライト米国務長官のピョンヤン(平壌)での毎日は、型破りの連続だった。米国の実質的な外交責任者を迎え入れた朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)も、やはり型破り外交でその訪問の意味を極大化している。もちろん、オルブライト長官の訪朝とそれまでの過程も型破りの連続だったといえるほどだ。

このように、型破りと型破りが1つになったオルブライト国務長官の訪朝で、米国と北朝鮮は、互いの重要な関心事について掘り下げた話し合いをしたものと伝えられる。今回のオルブライト長官の訪朝が、クリントン米大統領の訪朝の事前作業であるということからすると、どんな内容が協議され、決められたであろうと、すべてを発表していない可能性が高い。だといって、今会談の重要性が低減されるわけではない。

オルブライト長官の訪朝には、その歴史的象徴性意外にどのような意味と重要性があるのだろうか。何よりも、6月の南北首脳会談以降進んでいる北朝鮮の変化を、後退しないよう止めておく効果がある。北朝鮮が長期間の沈黙の後、自ら歴史の舞台に現れているだけに、再び引っ込まないようにするための努力が必要であり、オルブライト長官の訪朝はそうした意味で、新たな地平を開いたといえるだろう。

2つ目は、米国の国内政治の日程からすると、朝米間の交渉は早くても来年の上半期になるだろうと見込まれていたが、これが繰上げられたのである。それも予想を上回るレベルと形で。これは結果的には北朝鮮関連の懸案をより早期に解決できる基盤になる。

3つ目は、クリントン行政部としては、何とかして任期が終わる前に、いわゆる「ペリープロセス」の成果を直接確認したかったのであろう。94年ジュネーブ合意以降、難航していた米国の対朝政策を本軌道に乗せたのは、ペリー元対朝調整官であり、彼によって対朝政策の原則と方向をさだめたペリープロセスこそ、クリントン政府の対朝政策の最大の賜物であるならば、この賜物をクリントン大統領自ら確認したい気持ちもわからなくもない。

ところが、「なぜこの時期に」という質問に対しては、韓国だけでなく米国でも一抹の懸念と憂慮が提起されている。中でももっともな指摘は、アメリカの懸案の外交問題においてもっとも重要な北朝鮮問題を、どうして行政部が変わる時点で、こうしたかたちで行うかということだ。しかも、クリントン大統領の訪朝が実現するのであれば、その時期は新たな大統領の選出が終わってからになるはずだから、一層そうした疑問を拭い切れない。

事実上、首脳会談とは基本的な方向と原則を宣言するものであり、それを実行するためには、その外の高官レベルの実務者らによる交渉が必要であるため、その役目は自然に次期行政部にまわされ、交渉チームのメンバーが変わる可能性も高い。そのため、アメリカの現行政部は、無理のない事だけを慎重に行い、その他は次期行政部に任せるべきだとの意見もある。

オルブライト長官もこうした事を周知しているため、共和党のブッシュ大統領候補が当選しても、クリントン大統領の訪朝は既定事実になる可能性まで考慮して、北朝鮮問題の劇的妥結を試みているのかもしれない。この場合、もしその内容が北朝鮮の核疑惑やミサイル問題だけでなく、南北問題を実質的に解決する重要な内容は含まれず、形だけのものになる場合、その及ぼす影響は多大なものになるはずだ。

また、それが米国内で新たな政治争点となり足踏み状態になれば、アメリカの新行政部だけでなく韓国も、それを乗り超えるための険しい道を歩まなければならないだろう。

結果的に、オルブライト長官が敷いた道を、クリントン大統領が歩むとしてもこれらすべてが杞憂に終わってもらいたい。

ここで私たちが忘れてはいけないのがある。この時点では、何よりも米行政部が韓国と緊密な事前協議を通じて政策を進めるべきだと言う事だ。再び、米国と韓国の主導権争いのような事がおきてはならない。米朝間の国交が樹立されたからといって、それが南北の道を遮ってはならないという事を忘れてはならない。