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[光化門にて]「ベンチャーフィーバー」の痕跡

[光化門にて]「ベンチャーフィーバー」の痕跡

Posted October. 27, 2000 12:28,   

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大勢の客で賑わい、お土産やプレゼントが多くなるほど主催者の鼻は高くなるばかりだ。パーティーは数日も続く。ここで配られるプレゼントは毛皮やブランケット、バスケットなどだ。手厚くもてなされた客たちは、一層大規模な「ポトラッチ」を開き、相手を鼻をへし折ろうとする。

時に見栄を張る首長は、山のようにものを積み上げては、ここに魚の油をかけ、火をつける。野次馬たちはこれを見て尊敬の念を抱く。財産破壊者は、自分の大様な人柄を威張るかのように、「我はこの世の唯一の偉人である」と叫ぶ。普通の人からすると「狂乱のパーティー」におもえるはずだ。

クァウキトル族のこのような原始社会の行為が、韓国でも起きている。それも「デジタル時代」のシンボルともいわれるソウル・カンナム(江南)の「ソウルベンチャーバレー」界隈で。一部の若いベンチャー企業家は、豪華なキャバレーで「カンナムのポトラッチ」を開く。僅か一晩に3、4人に使われる接待費が1000万ウォンにのぼる。こういう接待を受けたものは、次回は一層「派手な」饗宴を開き、自分の力を誇示する。各種の洋酒が登場するのはもちろん。

公務員生活を辞めて、ベンチャー企業家に変身したKさん。彼は、国産の最高級乗用車のエクースに乗っている。彼を迎え入れたベンチャー企業が提供したものだ。賃貸料の高いカンナムにある彼の事務室も広々としている。ソファーから机に至るまで、すべて最高の調度を施している。

一時、カンナムのインテリア専門店は好況だったという。ベンチャー企業の最高経営者の執務室を、「フランス風」に飾り立てる仕事の受注が相次いだからだ。先を争って豪華に事務室を飾る人もいた。もちろん、こうしたいくつかの例で多数のベンチャー企業家の純粋なベンチャー情熱を罵倒してはいけない。

ここで使われた資金はどこから来たのだろうか。「ベンチャーフィーバー」の勢いを見て集中された資金ではないだろうか。ベンチャー資金、一攫千金をねらって投資したエンジェル投資家の懐の金である。血税で助成された政府の政策資金も含まれているはずだ。

「チョン・ヒョンジュンゲート」はどうだろう。まだ、事件の全体が明らかになったわけではないが、今まで明らかになった事だけでも、原始社会の行為が圧縮されている事がわかる。32歳に過ぎない韓国デジタルラインのチョン・ヒョンジュン社長。一般サラリーマン生活をしているのであれば、ちょうど代理の肩書きがつく年である。その彼が手にした資金は、数百億ウォンにのぼる。彼は、高級カフェーを経営し、外国産の自動車も数台所有していたと言う。

政府がすすめたベンチャー政策を見ると、ポトラッチを開いてあげた例が少なくない。数年内に数万のベンチャー企業を育成すると大騒ぎした。各種のベンチャー支援政策が動員されたのはもちろんである。政府の巨額の予算がベンチャーに使われた。これをめがけて大勢の人が群がった。

ベンチャーフィーバーが韓国型ポトラッチを繰り広げた後、今「権力型不正」の悪臭すら漂っている。「チョン・ヒョンジュンゲート」よりもはるかに強力なベンチャー関連不正爆弾が火を吹くのではないだろうか…。