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[社説]崔大使の懸念表明

Posted October. 29, 2000 19:47,   

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崔相竜(チェ・サンヨン)駐日大使が日本の歴史教科書歪曲問題に関して、公式席上で懸念を表明した。崔大使は先月27日、東京の世界平和研究所(理事長中曾根康弘)招請講演会で「韓日両国の未来志向の関係のためにも、確認された歴史的事実は大切にしなければならない」と強調し、「日本の国内問題に介入する意図はないが、歴史の真実を歪曲することがあってはならない」と警告した。

日本の侵略の被害の当事者である韓国の大使が、懸念を表明した前日(26日)にも日本では奇怪な事が起こった。文部省の教科書検定審議会に所属している、ある外交官出身委員が正論を述べたところ、これに対し自民党議員の一部がその審議委員を罷免しろと主張したのだ。

その委員は同僚委員たちに「最近の歪曲問題を起こした特定出版社の教科書を不合格にするのが望ましい」と求めた。それに対し、自民党の一部議員たちが直ちに大島理森文部相にその外交官出身委員を罷免しろと迫ったのだ。

日本の2002年版の中学校歴史教科書の歪曲の動きに対し、韓国、中国等「過去史の当事者国」が不安な眼差しで見守っている。検定を申請した教科書の「異常な」動きは「従軍慰安婦」という単語自体を消し去ったり、または従軍慰安婦の「強制動員」「補償問題」等の表現を削除したものから、日本帝国主義の中国、朝鮮「侵略」部分を削除したもの、植民地支配と朝鮮義兵関連内容を消し去ったものに至るまで多様だ。一言で厳存する過去史に対する隠滅行為だとしか言えない内容だ。

隣接国の懸念は単に、過去執着や侮辱感から出たものではない。日本が過去に行なった侵略行為さえ否定し、その責任を揉み消してまで子孫に教えようとするその意図は何なのか。未来も過去と同じように日本の鄰人として生きなければならない鄰接国として「過去史の埋葬」を黙って見過ごさなければならないのかという懐疑のためである。崔大使が一時間の講演の冒頭でこの歴史の教科書問題を提起し、「『歴史的真実は一つの神』という警句に注目するべきだ」と言ったのも同じ脈絡であることを日本は知らなければならない。

2年前、金大中(キム・デジュン)大統領の日本訪問を契機に、韓日関係は大幅な文化開放等で過去のどの時期よりも友好的で、未来志向的に進まなければならないと政府関係者は口をそろえている。しかし最近の日本の態度を見ると、果たしてその意思があるのか疑わざるを得ない。