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青瓦台、依然として「超越的権力」の象徴

青瓦台、依然として「超越的権力」の象徴

Posted November. 13, 2000 12:32,   

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トンバン(東邦)金庫の不正貸出し事件で逮捕された韓国デジタルラインのチョン・ヒョンジュン(鄭鍱逷)社長が、大統領官邸・青瓦台の8級の衛生職員であるイ・ウンギュさんに、金融監督院の捜査縮小を頼む代価として数億の賄賂を渡した事が明らかになり、衝撃を与えている。その衝撃とは、チョン社長の行動よりも、「大統領官邸がそんなに立派なものなのか。一体どうして8級の機能職に・・・、しかも、いわゆる国民の政府において・・・」というものである。どうしてそういう事ができたのだろうか。青瓦台関連の不正はどうして後を断たないのだろうか。

1.いくつかの例

チョン社長だけではない。企業を経営しているKさん(50)も、最近似たような経験をしていると、与党・新千年民主党の関係者らに話している。Kさんは、ビジネス上の相談で友達から紹介された青瓦台の職員に電話をかけ、懇談を要請した。電話をかけた所、その職員に「某時某分に青瓦台正門に来てほしい」といわれ青瓦台まで行った。その職員は、背広姿に青瓦台の出入りのパスをつけて現れたのだが、後で調べた所、機能職の職員だったとの事。

ノ・テウ(慮泰愚)政権の時は、次のような事もあった。ある放送局の人事発令があった時、「青瓦台の関係者」から「某さんは、こちらの関係者だから不利益のないように」という電話があった。その関係者は、青瓦台の構内番号まで残している。放送局の監査室の職員がその番号に連絡してみると、その関係者という人が出た。どうも不審に思い、別の経路で調べてみると、その番号とは「ボイラー室」であり、電話に応じた当事者は「ボイラー技術者」だったのである。

青瓦台の職員が直接介入した不正も少なくない。わざわざ過去の権威主義政権にまでさかのぼる必要もない。今年の8月に発生したポハン製鉄の納品請託詐欺事件は、青瓦台の民間行政秘書官室のキム某行政官が直接介入した例である。キムさんは、ポハン製鉄の納品業者であるムン某さんから6000万ウォンの賄賂を受け取り、ポハン製鉄のユ・サンブ(劉常夫)会長に直接会い、納品契約の引き延ばしを進める中、逮捕された。

こうした事件が起きたのは、まず大統領官邸に対する一般の認識も一助している。政権が変わっても「青瓦台にさえ頼めば、できない事はない」という認識は、依然として私たちの意識の中に深く染み込んでいる。

それは過去の権威主義政権以来の不条理であり、弊害なのにも関わらず、国民の政府になってもこういう認識は変わっていないのだ。そういう中でイ・ウンギュさんのような機能職の職員までも威勢を振るっているのである。ポハン製鉄の納品請託事件に介入した金某秘書官も、外部では「局長」呼ばわりをされたそうだ。

2.常に誘惑に悩む職員たち

青瓦台のある関係者は、「大統領官邸に勤める事が決まった頃、どのような経路で調べあげたのかは知る余地がないが、建設業をしている高校の友達から『一ヶ月ぐらいの接待費用は提供できる』という電話がかかってきて、遠慮した事がある」と話している。

青瓦台の職員の職位は、外部では「アップグレード」される場合が多い。大抵の場合、課長や局長、秘書官として通用する。本人が望まなくても周りが「秘書官」として呼ぶ場合が多いのだ。これもやはり歪曲された認識の産物であり、関係者らの脱線を扇ぎたてる。

3.原因と処方は

もっともその原因は韓国の政治文化の底にしかれている △権力と権威に対する盲従 △一部の不道徳的な為政者と官吏たち △大統領官邸の権力化ーーなどを挙げられる。

韓国社会病理学研究所のベック・サンチャン(白尚昌)所長は、「60〜70年代、『上からの近代化』を行う中、青瓦代は多元論的な権力分権よりは、行政府、立法府、市民社会を上回る超越的な権力を象徴する現実的権力として受け入れられていたためだ」と説明した。また、「民主化と市民社会が成熟したと言われている文民政府や国民の政府に至っても『青瓦代へ頼めば何でも解決できる』という一般人の認識は、変わってない」と付け加えた。

こうした分析は過去の政権にも適用できるが、問題は「国民の政府」、「小さな政府」を自任し、青瓦台の位相と機能の縮小を断行したという今の政府においても、こういう事が頻繁に起きているということだ。

するとやはり、△監督者の管理能力の不在 △職員補充の際の縁故主義 △青瓦代運営の非公開性などによる弊害をその原因に追加しなければいけない、というのが関係者らの指摘だ。

ある関係者は、「昔はもっとひどかったというような言い訳は通用しない。青瓦台は、秘書官から機能職職員に至るまで、より厳しく徹底的な監視と管理を行い、外部からの誘惑に負けないようにすべきだ」と指摘した。

青瓦台に勤務した経験のある別の関係者は、「秘書官や職員を補充する際、知合い関係で行えば、独自の監視機能が鈍り、道徳的不感症に陥りやすい」と指摘し、「青瓦台の運営も不可避な場合を除いては職制と機能、基本活動と任務などはインターネットなどを利用して明らかに公開する必要がある」と述べた。



ユン・ヨンチャン、ハ・テウォン記者 yyc11@donga.com