民主党の反議会的実力阻止で、検察首脳部に対する弾劾案処理が霧散したことは国家的危機状況を深化させるだけだ。ハンナラ党は国会議事日程を拒否して、金大中(キム・デジュン)独裁政権との闘争を宣言した。国会空転と政局梗塞による社会全般の危機意識はますます高まり、民生の混乱と国民の負担が一層加重している。
民主党は初めから、「ハンナラ党の検察首脳部弾劾案自体が法的要件を満たしていない」という主張であった。また弾劾案が可決された場合、憲法裁判所の決定があるまでの数ヵ月間、国家公権力の空白状態を避けることはできず、国家的危機を招くと強く主張してきた。しかし、そのような自己中心的な一方的論理から始まった今日の事態は、より大きな国家的危機を招いてしまった。
ハンナラ党の反発で、新年の落Z案審議と公的資金調査等の民生と直結する案件処理ができず、それでなくても不安な経済危機を煽ぐ結果となった。現政府が公言している来年2月までの4大部門改革完了も空公約で終わる確立がますます高くなった。
より本質的な危機は、現政権が掲げている民主主義と議会主義に対する国民の信頼の失墜だ。民主党は弾劾案自体が無効だと主張しているが、これは同じ党所属の国会議長が国会法の手続きにより、案件として正式報告したものだ。よってこの案件処理は、報告後72時間以内に本会議に上程され、票決処理されるのが実定法と議会主義原則に基づいたものだったのだ。
民主党は、自民連を院内交渉団体にするための国会法改定案に対しては、ハンナラ党が法案上程を妨害したという理由で、奇襲的な採決を強行した。そして今回は上程さえもさせずに、物理的に阻止した。このようなことをしても執権与党が議会民主主義を語る資格があるのだろうか。
李万燮(イ・マンャu)国会議長の機会主義的だとしか言えないような言動も遺憾に思われる。李議長は、本会議の対政府質問が終わってすぐに弾劾案を上程しなければならなかった。しかし停会を宣言したことによって、自ら民主党員たちに実力阻止の機会を提供したという疑惑は消し去りがたい。結局、実質的には与党の党略に協調しながらも、楓ハ的には所信ある議長だという大衆的人気を守るための二重の姿勢ではなかったのかと尋ねたい。
民主党は今からでも、今回の弾劾案霧散事態に対する責任をとる姿勢をみせなければならない。国会空転の根本的責任は無視して、その結果だけを野党に転嫁しても国民は納得しないだろう。国家的危機状況の一次的責任は当然執権与党にあるからだ。