政治圏の混迷が続くことにより、経済界にも嵐が吹き荒れる見込みだ。国会の空転で公的資金が補正されない場合、金融構造調整に大きな支障を来たすものと見られる。労組も只ならぬ兆しを見せている。一歩間違えれば、「第2の外国為替危機」が訪れるかも知れないという緊張感さえもある。これは、大きく二つに分けられる。まずは、公的資金の形成と民生懸案のための各種の法案が処理できず、構造調整が遅れると思われる事。二つ目は、外国人投資家が韓国の政治状況や労働運動の動きを対外信認度の尺度にしていることである。
▽金融構造調整の遅延
公的資金の形成が遅れれば、金融構造調整は止めどのない局面へと突き進んでしまう。
遅くても来月には投入が必要な公的資金は、△ハンビッ、平和、光州(グワンジュ)、済州の4つの乱脈銀行に6兆〜7兆ウォン △韓国、ハンス、中央、ヨンナム総合金融の統合に2兆ウォン △ハナルム総合金融会社の整理に2兆ウォン △ 保険金庫、信用共同組合の整理に6兆9000億ウォン △ソウル保証保険に6兆6000億ウォンなどおよそ24兆〜25兆ウォンが必要だ。
この中でももっとも資金投入が至急な所は、満期が訪れた債券を発行会社に替わって返済しなければならないソウル保証保険である。ソウル保証は、今回公的資金を支援され、主にデウ(大宇)債や企業改善作業(ワークアウト)が行われている企業の発行会社債を代わりに支給する予定だ。
ソウル保証保険の関係者は、「すでに数回にかけて支給を延期しており、債権者の抗議の声が高い。公的資金の形成が遅れれば会社債の市場が冷え込み、企業は深刻な資金難に直面すると見られる」と話した。
▽実物経済にも影響
韓国金融研究院のソン・サンホ(孫祥皓)選任研究委員は、「ソウル保証から仮支払いされた資金で、年末国際決済銀行(BIS)基準の自己資本比率を高めなければならない銀行らも、一層身を潜める可能性がある」と見通した。結局、実物経済の資金事情の悪化につながるしかないとの事。
乱脈銀行と総合金融界社の整理作業も打撃を被ると見られる。政府は、当初来月中不良金融機関に公的資金を投入し、「クリーンバンク」にして、来年から始まる預金部分保護制度に備える計画だったが、その準備に忙しくなった。
▽企業構造調整にも支障
企業構造調整もラビリンスへと陥りそうだ。構造調整が遅れると、処理費用は莫大な金額に増え、正常だった企業も連鎖倒産する可能性が高い。腐ったりんごだけを選び出す暇もなく、同一の箱の中に含まれた他のりんごまでも腐るかもしれたいと言ったところだ。
ソウル市立大学のカン・チョルギュ教授は(経済学)、「経営状態の良好な企業も金融高速で深刻な資金難に直面している。一日でもはやく整理しなければならない企業は整理するべきあり、堅実な企業には資金繰りができるよう構造調整を終えなければならない」と促した。
▽政治跛行と強硬な労組
政治跛行と共に労組の強硬な動きが具体化されている事も、外国人の投資家が不安に思う一因である。19日、韓国労働組合総連盟(韓国労総)が労働者大会を開いた上、24日には韓国電力労働組合の総ストライキが予定されている。また、26日には公共部門の労働者大会が開かれ、29日、全国民主労働組合総連盟(民主労総)の建設産業連盟が大会を開く。来月、8日には韓国労働組合総連盟が総ストを強行する方針だ。
ソンキュンクァン(成均館)大学のイ・ゼウン教授(経済学)は、「韓国が外為危機に見舞われたのも、ハンボ事態やキア(起亜)自動車の不渡り、労組問題などが絡んでいたので、与野党の議員は現在の跛行が歴史的にどう評価されるかを真剣に悩むべきだ」と話した。