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為替レート しきりに上昇するのはなぜか

Posted November. 22, 2000 13:24,   

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21日午前10時、C銀行の外国為替ディーリング室。原油の輸入代金を決済するためドルの購入を求める精油会社の注文が殺到している。

「いくらで買えますか?」 「1165ウォンくらいならば大丈夫です」

しかし一瞬でレートは1172ウォンに上がった。ディーラー達は当惑の表情だった。

午前11時頃のA銀行。外国為替当局がレート急騰対策会議をするという情報が入手された。ディーラーたちは一斉にドルを売りさばいた。

1130ウォン台に落ち着いていた米国ドルに対するウォンレートが、息の詰まるような暴騰を示し変動性も大きくなった。財政経済省、韓国銀行などの外国為替当局が「ドルの需給にさほど問題は無い」と不安心理をなだめてはいるものの、一線の窓口では全般的に‘ただならぬ’雰囲気が支配的だ。

急騰の原因

国会の跛行により公的資金の導入遅延が不可避となったこと、構造調整の不確実性が大きくなった点などから原因を分析する専門家が多い。年末に原油輸入の決済時期が集中している精油会社のドル需要も主な原因に挙げられる。

シティバンクのオ・ソクテ部長は「輸出増加と外国資本の流入が鈍化される時点に、構造調整の遅延に対する失望感が重なった」と分析している。ひとことで言えば韓国経済が良くなること無しにウォンが強くなることは無いということだ。

対外的には台湾など東南アジアの通貨不安が契機となった。

直接的には域外先物為替(NDF)市場でのドル投機性買い入れが増加しつつ、外国為替先物レートが1160ウォン台へと急騰したことが、ソウルの外国為替市場へ影響を与えたようだ。97年の通貨危機直前にもNDFがウォン先物を売却、レートの高騰を触発した。

どのような影響が出るのか

中長期的には国内輸出品の価格競争力を高めることが輸出増加のための対策にはなるが、短期的には輸入量の上昇によりインフレを誘発する可能性がある。

それよりも大きな問題は、レートが急激に上昇した場合、今年に入って10兆9188億ウォン分の株式を買収した外国人らが投資資金を持って韓国から出て行ってしまうという可能性だ。1ドルあたり平均1120ウォンで株式を購入したにも関わらず、株式市場沈滞により儲けることもなくレートが暴騰、為替差損の危険まで生じるという二重苦で、大規模な資本輸出危機が起きたということだ。

資金市場はやはり短期的には物価高騰心理による金利上昇誘発効果、中長期的には輸出増加による企業の資金難解消で金利を下げたことによる効果があると分析される。

レート上昇は続くのか

展望が大きく食い違っている。韓国金融研究院の朴海植(パク・ヘシク)博士は「企業リストラがうまくいけば国内の景気はなだらかな上昇を続ける」とし「その場合レートは年末には1100ウォン台初盤、来年には1080ウォンあたりを上下する見通しだ」と予測した。

しかしABN通のチョン・インウ支配人は「レートが多少の下落を見せると決まって精油会社のドル『買い入れ』注文が入り、レートが下がることはめったにない」と述べ、年末でも1150ウォン以下には下がらないだろうと予測した。



鄭景駿(チョン・ギョンジュン)記者 news91@donga.com