韓国電力の労働組合がストを留保する方向に立場を変えたのは24日の早朝。その前にもスト突入は難しくはないかという見通しが出ていたが、政府が強い姿勢で取り組んでいることに加え、労働組合もストを留保する名分がなかったため、その確立は半々だった。
しかし中央労働委員会の調整委員会が政府と労使を相手に、裏交渉を行い、今朝2時頃、労使が調整期間を延長し、その期間の間、国会は電力産業構造改編と関連した法案の審議を留保すると言う折衷案が設けられたことによって突破口が見え始めた。
折衷案をおいて中央労働委員会と政府・労使の関係者が最後の協商を行った後、この日の午前4時50分、韓国電力の崔洙秉(チェ・スビョン)社長と、呉京鎬(オ・キョンホ)労働委員長がそれぞれ合意文に署名した。
しかしまだ山は残っていた。記者会見の席で呉委員長が辛国煥(シン・クッファン)産業資源省長官の不参加を理由に合意文を破ってしまったからだ。結局、午前6時半頃、辛長官が協商場所に到着し、記者会見会場に陪席した状態で、労組はストの留保を宣言した。この時が6時50分。
労組がストを留保したことにより労使両側は29日まで、5日間余裕が与えられたことになる。呉委員長は、ただストを留保しただけで、要求が受け入れられなければ30日から再びストに突入すると述べた。
労使両側はこの日、1日休息をとった後、25日から再び協商に入る計画だ。しかし政府の韓国電力民営化方針が変わる可能性はほとんどない。それどころか政府は公共部門の構造調整など、改革ドライブをかけることができる有利な条件になったと判断している雰囲気さえ漂う。5日間という時間的余裕が与えられたにもかかわらず、両側はお互いに満足できる合意案を見つけることが難しい状況だ。
問題はそのような場合、労組が公言した通り、ストに突入することができるかということ。韓国電力の李慶鎬(イ・キョンホ)公報局長は、「国会の産業支援委員会の韓国電力民営化と関連した法案の審議が延期された状況の中、ストに突入することを少々負担に感じていたことは事実だが、要求が受け入れられなければストしか方法はない」と述べた。
反面、韓国電子の民営化という動きを受け入れるしかない状況で、5日間の調整機関の間、最大限実利を稼ぐというのが労組の作戦ではないかという分析もある。また、全員がひとつとなってストを行う程の動力が裏付けされていないという話も出ている。
韓国電子の労組のスト留保決定によって、労働界の冬闘熱気も勢いが弱くなるのではないかという分析もある。しかしこの日、共同闘争委員会を構成するなど、連帯闘争を行うことにした韓国労総と民主労総はこのような見方を一蹴している。
韓国労総の李正植(イ・ジョンシク)対外協力本部長は「両労総の連帯闘争、政治圏の動きなど、今後の労働系の冬闘には色々な変数がある」とし、「韓国電子の労組は簡単に闘争を放棄しない。またそれぞれの事業により状況が異なるため、労働系の冬闘は続くだろう」と話した。
鄭用𨛗(ジョン・ヨングワン)記者 yongari@donga.com