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[公企業構造調整に関する報告(2)]

Posted November. 27, 2000 19:56,   

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「韓国電力の件」を通じてわかったのは、公企業構造調整において最大のネックは強大な労働組合の抵抗だという事だった。韓国電力だけでなくほとんどの公企業の労組は、一般企業の労組よりも莫大な力を誇っている。政府は、「肥大化した公企業労組の利己主義が改革を妨害している」と批判する。

だが、公企業の内部事情をある程度知っている者であれば、「果たして政府にそういった資格はあるのか」と反問する。労組の勢力を増大させた責任が、相当たる部分、政府に帰すためである。

企画予算庁が98年、公企業構造調整のプログラムを組む過程で提示した方策には、公企業経営陣の「天下り人事」の廃止が含まれていた。専門性のある経営陣を選任してこそ、自ずから改革ドライブが作動するという論理に基づくものだ。しかし、この建議は結果から言えば、徹底的に無視された。それ以後も公企業の天下り人事は無くならなかった。

企画予算庁の実務者は、「公企業改革の本質的な処方が取り除かれたため、構造調整に限界があった」と話している。

天下り人事は、現政府が野党だった当時、与党の文民政府を批判した病弊である。その程度に差はあるものの、今の与党もそれを踏襲しつつある。

全国公共運輸サービス労連のノ・ハンレ政策部長の「反改革的性向を持っている天下り人事で経営陣を任命し、公共部門の構成員をしきりに攻撃するのは非合理的だ」という指摘に、政府が返す言葉がないのもそのためだ。

政府はこれまで社長公募制度を導入するなど、公企業の運営体制を根本的に改めるために様々な改革措置を取ってきた。ところが、問題は社長推薦委員会などの制度が、かえって政治圏からの天下り人事を正当化する要式行為の役割を果たしただけという点である。

公企業の人事が政治的に関係があるため、人事の季節が訪れると、あらゆるうわさが飛び交う。「だれだれはだれだれのラインである」という話が出回る。関連政府部署では、「某氏はどこどこにおくり、某氏はどこどこに任命する」という「高次方程式の解法」に余念がない。この過程で政治圏の値踏みと妥協で、一昼夜で席が替わる場合もある。専門性などは根っから関係の無い話しなのである。

ハンソン大学のイ・ジョンスゥ教授は、「権力周辺の関係者を公企業の責任者に任命するような慣行を打破せずには、決して公共部門の改革は期待できない」と指摘した。

正統性のない経営陣は、労組に非難されても仕方がない。昼には労組と対峙するが、夜には労組と妥協し、それに相応する代価を支払うような「取り引き」が行われるのである。

9月に公企業への特別監査を行った監査院のある関係者も、「労組が経営陣の弱点を利用し、度を越す要求をし、これが受け入れられながらそのレベルが1段と高まり、集団利己主義に溺れながら、強硬性を帯びた労働組合へと変貌した」と話した。

監査院が公企業に対する監査を行った後、懲戒が下された韓国産業安全公団、大韓住宅保証(株)、農業基盤公社、馬社会、勤労福祉公団などはみな社長が関連政府部署出身の人物だった。

特に馬社会の場合は、99年労使協約を通じて、労組の加入対象を2級以下全職員に拡大した結果、役員以外の職員の97%が労組に入っているほど、労組が絶対権力を行使してきた。経営管理を担当している2級の職員と、経営陣のために仕事をしている監査業務担当職員、役員の秘書さえも労組員である。

公企業改革のもう一つの問題として、実績中心の構造調整の方式をあげられる。個別公企業の事情は考慮せず、「いつまで」という時限を決めて置くことについて、専門家たちは「強靭なる意志は高く買いたい所だが、果たして『構造調整のインフラ』は整っているのか」と反問する。

政府の関係者は、「これまで政府の公企業の改革の過程で、個別公企業の事情は考えないで日程に追われ行った一方的な指示もあった」と吐いた。企画予算庁で公企業の構造調整を担当している職員はわずか10人ほどである。この人数で100あまりの公企業の複雑な内部事情を把握し、内容のある改革案を立案するのは物理的な面からも無理な話しである。

公企業構造調整の中心である企画予算庁の政府改革室長の席が「忌避職」となったのは、公企業改革の難しさを物語る。韓国開発研究院(KDI)で、長い間政府改革分野を研究していたイ・ケシック(李啓植)博士は、政府改革室長に任命されてから、内外の強い抵抗に悩んだ末、8月に辞職願いを提出した。企画予算庁は、二回も支援者を公募したが、適当な支援者が出なかった。その役職がこれほど難しい上、「悪役」を担当しなければならないと言う事情が知れ渡ったためだ。公企業改革の「険しい路程」を示す一例であろう。



李明宰(イ・ミョンジェ)記者 mjlee@donga.com