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韓国電力、スト撤回した理由

Posted December. 04, 2000 12:44,   

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韓国電力の労組が先月24日と30日に続いて、またもストライキを撤回した事で労働界の冬闘は事実上、動力を失った。しかも、今回のスト撤回はすでにストライキ命令を下し、組合員たちは韓国電力の本社に集結している中、民営化を認め、雇用継承などと取替えたものなので韓国電力労組のストライキは名分を失ったようなものだ。

3日午後4時から始まった中央労働委員会の特別調整会議は、停会と続開を繰り返しながら夜の12時まで続いた。会議の初めに政府は、韓国電力の民営化および分割売却については、国会で合意した内容以上は一歩も譲れない事を明らかにしている。労組も「ならばストライキを強行する」という意志を示し、停会になったが、オ・ギョンホ(呉京鎬)労組委員長は、「会議は最後までどうなるかわからない」といって妥結の可能性もある事を示唆した。

午後9時。調整委員らが調整案をまとめ、忙しく動きはじめた。労使が最終的に合意した内容は、△法人分割の際、労組に事前通報し、労働者の雇用保障と勤労条件を協議する △民営化は労組、韓国電力、政府によって構成された協議会で、諸問題を協議し施行する △民営化の際、雇用承継に積極的に努力する △育児休職の拡大など労働条件を改善するという内容である。

しかし、合意の草案が一部マスコミから流れると、ソウルカンナム(江南)区サムソン(三成)洞の韓国電力本社の講堂に集まっていた3000人余りの組合員らは、「スト撤回は言語道断だ」と興奮し、オ委員長以下交渉代表は、組合員を説得するため夜遅く韓国電力本社に向かった。

スト撤回を知らせるオ委員長の発言に対して組合員らは「スト!スト!」を連呼し反発した。オ委員長は押し出されるようにして、わずか10分で演壇を離れた。

組合員たちの強い反発で、一時は合意が水の泡になるのではないかという予測もあったが、夜11時30分頃、再び中央労働委員会の交渉場所に現われたオ委員長が合意文書に署名し、史上最大のストは結局起らなかった。

一方、韓国電力の労組が劇的にストライキを撤回したため、労働界の冬闘と二大労総の共助は事実上、力を失っている。韓国労働組合総連盟と民主労働組合総連合会は4日午前、「役員、傘下別代表者連合会議」を開き、今後の闘争方向について話し合う事にしたが、状況の変化によって共助破棄を確認する場になる可能性が高い。

民主労総は、「勤労基準法の国会上程に合わせ総ストライキに入る」という原則のもとに来年まで見極めるとしていたが、これまで共同闘争には微温的な態度を取っていた。しかも韓国労総の公共部門闘争の先頭に立っていた韓国労組が無気力化した事から、これ以上共助を続ける必要はないだろうとの分析が出されている。

航空社と地下鉄など今週中にストライキを予定している事業場のストライキも不透明な状態だ。アシアナ航空会社のパイロット500人は、パイロットだけの労組承認を要求し、5日までストライキの賛否を問う投票を行うと発表した。

また、ソウル地下鉄5、6、7、8号ラインを運営している都市鉄道労組も6号線の開通による人員拡充を求め、8日ストライキを始めると決議した。15日に予定されている鉄道労組のストライキも今週の闘争様相によってそのレベルが明るみになる見込みだ。