Go to contents

[社説] ネジの外れた裁判所と検察

Posted December. 12, 2000 18:10,   

한국어

まったくとんでもない事件が起きた。先日、いわゆる銃風事件の第1審公判で裁判部が不拘束被告人3人に対して実刑を宣告して保釈を取り消したが、裁判所と検察がこの被告人をちゃんと収監できなかったのだ。これは単純な失敗で済む話ではない。国民が信じて頼りにしてきた裁判所までもが秩序と規律を失いつつあるようだ。まったく無念極まりない。

刑事事件の場合、当事者の防御権を充分に保障し、身柄の拘束はできる限り抑制されるべきだが、刑の執行は厳格に行われなければならない。それがすなわち法治の道だからだ。従って刑の執行における失敗は、どんな場合であれ許されるものではない。裁判所の失敗はたとえそれがどんなに些細なものであっても、裁判の権威と直結しているという点において深刻な問題だといえる。

もちろん裁判部にも言い分はあるだろうが、保釈取り消し決定に従った身柄処理の手続きをなおざりにし、混乱を招いたことは間違いない。刑事訴訟規則には検事または裁判所職員が不拘束被告人の法定拘束を執行するようになっているが、これに伴う裁判部の準備や対処がお粗末だったのだ。

検察も弁解の余地はない。社会的な関心が集中していたうえに、ある程度法定拘束が予想されていたこの事件の宣告公判に検事が出席せず、結果的に拘束執行に重大なミスが発生したためである。あわてて検挙に乗り出し、呉静恩(オ・ジョンウン)、韓成基(ハン・ソンギ)被告人は公判当日に収監、張錫重(チャン・ソクチュン)被告人は次の日に出頭してきたため身柄問題は一段落したが、検察がこの事件の責任を免れるのは難しい。

さらに深刻なことは、裁判所が自らの責任を認めず、互いに相手に責任を押し付けようとしている点だ。不拘束裁判制度に問題があるなら、真っ向から向き合って対策を立てるのが筋というものだろう。しかし本質を見ようとせず、なんとかやり過ごそうという態度は、国民の信頼を踏みにじる振る舞いだ。

しかも先月には検事が警察に補強捜査を指示した書類を検察職員が裁判所に提出し、当直判事はこれを確認もせずに令状を出し、慌てて取り消すという騒動もあった。まだある。先日、裁判所と拘置所間の連絡ミスでドンバン(東邦)金庫不正融資事件の被告人らが出席せず、初公判が延期されるという異常事態も発生した。

国が立ち行くためには何よりも法曹界がしっかりと機能していなければならない。裁判所と検察は最近の相次ぐ失敗を鏡とし、これ以上失態を繰り返さないようにしなければならない。