小説家姜石景(カン・ソクキョン)氏が新羅王たちの誕生説話と一代記をテーマにしたエッセイ集『陵に行く道』(創作と批評社)を発行した。
5年前から慶州(キョンジュ)に住んでいる姜氏は、所々にある王陵で新羅人と現代人を結ぶ省察の鍵を発見した。このような思索の結果を、文明・執着・夢など11つのテーマで編集した。ユ・ホンジュンの『私の文化遺産踏査記』が建築物や寺刹など有形の文明を生き返らせたとすれば、この本は1500年前の新羅人の精神という無形の文明を復元している。
彼は新羅の昔(ソク)氏王の始祖である昔脱解(ソク・タルヘ)王の陵周辺を歩きながら、文明について思索する。鉄器文明をこの地に伝えた昔脱解王の説話を引用しつつ、人類を文明社会に導いた鉄器が共同体文明を破壊する始発点となったことも忘れていない。
この本の特徴といえば、陵の周辺を散策しながらも、古典と詩と映画を渉猟している点である。ホンガン王陵と三陵をまわりながら、処容舞(宮廷舞踊の一つ)の現代版を、映画『うなぎ』と『ジェネラル』から発見し、ノドン洞の古墳群では神聖な女性像の価値を論じながら、最近の女性タレントOや女性歌手Bのセックスビデオ事件に現れた性の問題を暴いてみせる。カン氏は1990年『インド紀行』以降10年ぶりに、この散文集を出した。