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[社説] 特例不正入学の根を絶つ

Posted December. 20, 2000 18:21,   

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長い間海外で勉強した帰国子女を母国の生活に適応させることが目的で設けられた大学の在外国民特例選考制度が、国内で生活した学生の不正入学の手段として悪用されていることが明らかになり衝撃を与えている。

水曜日から現在まで明らかになった不正入学者は5つの大学から全9人。検察が本格的な捜査に取り組めば、その数はより増加すると見られている。

彼らが大学に提出した出入国証明書、外国小・中・高等学校の卒業証明書、成績証明書などは、ほとんどが偽物だった。この中には外国の学校に入学したこともなく、ずっと国内で生活していた学生も多かった。

今回摘発されたのは、在外国民の特別選考の中でも‘外国の小・中・高等学校で12年間修学した者’を対象にした選考に志願した学生だった。一定の試験を行って選抜する一般在外国民特別選考とは違い、定員外で、書類審査でのみ選抜する選考制度であるという点で、以前から不正入学の可能性をはらんでいた。

検察の捜査結果、不正入学の過程にはブローカーがおり、彼らと学生の親との間で巨額の裏金が取引された事実が次々と明るみになった。これは1人や2人ではなく、組織的に広範囲に渡って入試の不正行為が行われていたという可能性を高めている。

最も公正でなければならない教育の現場に、カネとダマシとブローカーがはびこる有り様をどのように解釈すればいいのだろうか?

今回の事件は韓国社会に蔓延している“黄金万能主義”を改めて感じさせる事件だ。ニセの書類で自分の子供を不正入学させた親は、ほとんどが裕福であることも分かっている。カネさえあればすべてのことが解決すると思っている彼らの“黄金万能主義”が教育の現場を汚している。

大人達のひねくれた欲のために、カネで大学に入って卒業した学生はどうなるのだろうか?きっと彼らは大学入学に関しては、一生何も話すことができず、罪悪感に苛まれながら生きていくだろう。入試の度にいつも明るみになる不正入試行為には、学歴と看板を何よりも最優先する韓国社会の学歴崇拝主義がある。大学、特に名門大学を出てこそ人間として認められ、良い会社に就職も出来る社会であるとすれば、不正入学の誘惑はこれからも続くだろう。必ず大学を出なくても、自分の実力と適性を生かすのが正しいという認識が定着しなければならない。

検察は徹底した捜査を通して、不正入学の全貌を説き明かさねばならない。他の特別選考にまで捜査を広げることも考慮するべきだ。このためには教育省と学校当局の積極的な協力が必要だ。

これと共に、書類選考だけで実施されている現在の在外国民特別選考制度に、面接や筆記試験を追加する方案を検討するなど、制度的な補完策も必要であろう。