「ハーバード大とマサチューセッツ工科大(MIT)に合格した学生でさえも入学が難しいソウル大は、名実共に世界最高の大学なのか・・・」。去る22日、ソウル大の特次選考で、内申成績が2等級で、修能試験では満点であった学生も不合格になった。これを受けて、内申成績5等級に当たるソウル科学高校2年生の李珪瑛(イ・キュヨン、17)さんが、米国のハーバード大とMITから同時に入学許可を得たことと比べ、韓国の教育と入試制度を批判する声が高まりつつある。
また、英国のオックスフォード大が、海外に1度も行ったこともなく、TOEFLなどの米国の大学の進学関連書類のみを送付した民族史観高校3年の金旋(キム・ソン、18)さんに入学を許可したのも話題を振りまいている。
保護者であるホン・スヒョン(47)さんは、「『現行の入試制度の下で、娘がソウル大を志願したら落ちたに違いない』との話は、我々の現実を克明に露呈するものだ」と話した。
同級生130人のうち25位前後の李さんが、今年のソウル大の特次募集と定時募集で医学部に願書を出したら、試験で満点を取ったとしても‘内申成績での減点’が避けられず、落ちたに違いないと、入試専門家は分析した。
ソウル大は特次募集で‘入試成績80%+生徒生活記録簿20%’を選考する。この時、生徒生活記録簿の成績では国語、英語、数学などの5科目の平均席次百分比を計算して10等級に分け、等級間1.5点ずつ減点する。定時募集では全科目を反映し、等級も30等級に細分化して1等級と30等級の差が59.4点もある。
つまり、李さんは満点を取っても、内申成績で満点を取った入試高得点者より不利になり、落ちる可能性が高い。多様な測定を通じた`本当の優秀な学生'を選抜する制度がきちんと整えられていないためである。
一方、科学技術論文の数で大学順位を決める1999年度国際SCI(科学技術論文索引)指数によると、世界1位の大学は8492本の論文を提出したハーバード大学、2位が東京大学、3位はUCLAであったが、ソウル大学は73位(論文1942本)に止まった。
ドイツ・ミンスター大のソン・ドゥユル教授(社会学)は著書の『21世紀との対話』で「ソウル大は世界800位の水準だ」とし、「ソウル大学の教授の研究実績はハーバード大の0.56%、東京大の5.0%水準であり、ホンコンとシンガポール大に比べても7.9%、13.6%に過ぎない」との報告書を引用した。
慶熙(キョンヒ)大学の権峻模(クォン・ジュンモ、心理学)教授は、「李さんは学業成就度の高い優秀な学生の選抜できない韓国の入試制度の弱点を露にする克明なケースに当たる。入試政策が高校教育の正常化や私教育費の根絶などの政治的な論理に左右されている」と指摘した。
高麗(コリョ)大の金成寅(キム・ソンイン)入学管理室長は、「入試が`ミスさえしないための'試験に転落してしまったことと、推薦書への信頼度がアメリカより著しく低い社会風土が大きな問題だ」とし、「自律的に学生を選抜できるようにしなければならない」と力説した。
ソウル大のある教育学部教授は「アメリカの大学は高校の成績表や生活評価、教師の推薦書、エッセー、各種大会での受賞経歴、課外活動の内容、特殊才能の保有、品性などを総合的に考慮して優秀な学生を選んでいる。教育省が画一性と公正性のみに絞られていると、結局、学生個人と大学はもとより、国家の競争力までも落ちてしまう恐れがある」と強調した。
ハーバード大経済学の科出身で、東亜日報でマンガ`ハーバードマン'を連載しているケント・キム(キム・ヒョンソップ)さんは、ハーバード大の新入生選抜について「今回合格した李珪瑛さんの場合、ハーバード大からバスケットボールチームはないのかと聞かれて、彼女自らがバスケットボールチームを作ったというが、一言でこういう挑戦的でリーダーシップのある学生を選ぶのがハーバード大だ」と説明した。
ケント・キムは「出身高校のある地域のハーバード大の先輩がインタビューをして母校に報告すると、これも決め手の選抜基準になる」と説明した。彼はまた、「最近、ソウル大が成績の悪い学生を退学させた時、反発する人もいたが、私としては理解できない」と付け加えた。