「アメリカの場合、政権の変わり目になると、ワシントンの埃が収まるまでは少なくとも6ヶ月はかかる」。
玄鴻柱(ヒョン・ホンジュ・ローファーム`金(キム)&張(チャン)'の顧問弁護士)元駐米大使は25日、ジョージ・W・ブッシュ新共和党行政府の誕生を控え、東亜日報とのインタビューでこのように切り出した。政権の変わり目には米国も国政の空白期間が相当長いとのことであった。
では、この空白期に、韓国は何をどう準備するべきであろうか。
1991年2月から1993年4月まで駐米大使として勤務しながら、当時のブッシュ共和党政府がビル・クリントン民主党政府によって交代される過程を直接目撃した彼は「韓米間の外交人脈を作り、両国の懸案でのイニシアチブを取る機会として積極的に活用すべきだ」と忠告した。
米国通として挙げられる彼は、また、韓国政府が金大中(キム・デジュン)大統領とブッシュ大統領当選者との韓米首脳会談の時期を早めようと努力していることについても「過去の非民主的な軍事政府のように、これを早急に進める必要があるまい」との意見を披瀝した。それよりも、「アメリカは法に基づいて動く社会であるという事実を見逃していけない。また、慌ただしい政権の変わり目だとしても、貿易摩擦などの法の手続きによって進められる韓米間の懸案がないのかを、まず徹底的に点検することが重要だ」と強調した。
外交当局者は常に「大統領の顔色を伺うために国益をないがしろにしてはならない、国全体の利益になる判断を下さねばならない」と指摘し、「一例として、前職大統領が在任当時、国連総会に列席するついでにクリントン大統領との会同を固執したために別の重要な外交日程に支障を来たしたこともあった」と紹介した。
玄元大使は続いて「今のところ、政府がブッシュ行政府内に人脈がいないと心配したり焦ったりする必要はまったくない」と言った上、「アメリカとは『国家対国家』『ポスト対ポスト』で物事を進めていけばいいはずだ。むしろ、政権の変わり目毎に登場するえせロビイストに利用されることを警戒すべきだ」とアドバイスした。
彼は「ブッシュ政府の顔触れの中で、もっとも注目すべき人物は誰か」との質問に対して、「ホワイトハウスの安保補佐官として指名されたコンドリーザ・ライス・スタンフォード大教授に1990年に会ったことがあるが、『ほんの少しのミスも許さない明晰な判断の所有者』との印象を受けた」と答えた。
夫亨權(ブ・ヒョンゴン)記者 bookum90@donga.com