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新官治金融は復活するのか

Posted January. 09, 2001 12:07,   

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市場原則を無視した新官治金融が随所に蔓延している。

今まで政府は、景気へのテコ入れと金融市場の活性化の目的で、窓口指導を通じた市場介入を行なってきたものの、最近の官治金融はその手法が日増しに巧妙化かつ高度化しつつ、むしろ過去に比べ、干渉の内容と程度は深刻になっているとの指摘がある。

専門家らは「市場原則論と官治金融の撤廃を前面に掲げてきた政府が、個別問題に対しては現実論を理由に原則を無視している」とし「これは結局、金融システムを乱すことであり、他の危機をももたらしかねない」と警告する。

▽巧妙になった官治金融の実体=ある都市銀行の関係者は最近の政府の官治金融の実体について「第5共和国当時は証拠を残したものの、最近は証拠を一切残さない巧妙な方法で市場に干渉する事例が目に見えて増えた」と述べた。

専門家らは「官治金融の出発点は、頭取が人事権を握っていることに根本的な原因がある」と口を揃える。現在、新韓(シンハン)、ハナ銀行を除いて全ての都市銀行の頭取を政府が選任している。この関係者は「極少数の銀行を除いて頭取を政府が任命している状況で、銀行が政府の顔色を伺わない事が出来るのか」と聞き返し「外国人が頭取の座にいる第一(チェイル)銀行が、産業(サンオプ)銀行の会社債を再引き受けすることを拒否した騒ぎも、実は政府の干渉から自由に動けたからである」と語った。

国民(クッミン)・住宅(ジュテク)銀行の合併と関連しても、政府の影響力はフルに作用した。政府は、今まで建前としては、個別銀行の合併に関与できる立場ではないと主張してきたものの、実はマスコミを通じて合併の情報を漏らすといった二枚舌的な手法を取ってきた。国民銀行の関係者は「個別銀行、その中でも、政府が最大株主ではない銀行間で密かに進めている合併については、政府が内容を事前に知っていること自体が舞台裏で干渉していることを裏付けている」と強調した。結局、国民・住宅銀行は、政府の銀行の大手化論理のために具体的な乗数効果さえも検証されない状態で合併を強行し、遂には銀行ストによる国民的な被害をもたらしてしまった。

それだけではない。昨年、市場を安定させる目的で10兆ウォンずつ、第1・2次債権安定基金を助成する際も、政府は市場安定協力を理由に一方的に銀行に責任を分担させた。もちろん、形式は‘協力’であったが、政府が金融機関の筆頭株主、金融監督権者、金融政策の立案者の1人3役を遂行している状況で、協力の拒めるほどの勇気のある金融機関はあり得ないはずだ。

毎年の決算の際、政府が銀行の関係者を集め、特定の不良企業への貸し出しに対する‘貸し倒れ割り当て金’の割合を一方的に決定することも、市場の自律性と顧客の選択権を制限するとの批判を受けている。

その上、韓国投資信託と大韓投資信託に投入した公的資金を回収するために投信社の販売する商品には課税をしない特別待遇をする反面、資産運用社のミューチュアル・ファンドには特別待遇を全然しないことも、市場の原則を無視した‘逆差別’に当たるとの批判を免れない。

▽官治金融、いつまで続くのか=専門家らは「政府が自ら掲げた4大部門の改革の完結時限に縛られ、『苛立ち』を隠せずにいる」と指摘する。国民・住宅銀行の合併でも見られたように、目に見える成果をもたらすために当局者が情報を漏らした結果、労組の反発を呼んで、事態を一層こじらせてしまったのがその良い例であろう。

ある市場の関係者は「原則を無視した変法は別の変法を生む。これは結局、正常的な方法で原則を順守しようとする人は小ばかにされる恐れがある。現実も勿論重要であろうが、いつまで原則を無視した政策を量産するつもりなのか」と反問した。



李勳(イ・フン)記者 dreamland@donga.com