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[社説]比新政府の課題

Posted January. 22, 2001 19:43,   

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フィリピンのピープル・パワーが、腐敗した無狽ネジョセフ・エストラダ大統領を追放するという市民革命を成し遂げた。フィリピン市民達は、86年にもフェルディナンド・マルコス大統領を退陣させたことがある。20日早朝、マニラの中心地にあるエドサ聖堂前の広場に集まった10万人もの群集は「真実と正義のための行進」と呼ばれるデモを繰り広げた末に、エストラダの降伏を勝ち取った。

98年の選挙で勝利して大統領の座に上ったエストラダは、付き合いの長かったギャンブルと酒の仲間達の「黒い手」に囲まれ、腐敗の沼と決別できなかった。彼は大統領選挙の時にも資質を問われた。女性関係、アルコール中毒、常習賭博に対する非難が絶えなかったのである。彼が大統領選挙で史上最大の票差で当選したのは、苦しい現実から自分達を救ってくれる指導者を渇望していた貧困層が全面的に支持したからだった。

しかしエストラダは大統領になってからも、深夜の酒宴の席上で主要政策を決定し、秘書官達すら戸惑わせていた。結局秘書室長はこれを迄Iして辞任した。また「株価操作に介入した友人を見逃してほしい」と関係当局に圧力をかけたり、不法賭博業者から巨額のワイロを受け取っていた疑惑が持ち上がったりもした。アジア諸国の中で西欧化のトップを走っていたフィリピンが、今日のように政情不安と経済的窮乏に直面しているのは、支配層の腐敗が原因だった。

市民革命によって新政府の首班となったグロリア・アロヨ大統領は、米国留学の経験のある富裕層出身の女性エリートであり、その点で多数の貧困層の支持を得られていない。エストラダに期待をかけてきたフィリピンの貧困層は、アロヨ新大統領には自分達の厳しい生活を理解できないだろうとして拒否反応を見せているという。

エストラダを屈服させたピープル・パワーの主導勢力は、マニラの中産層以上の市民と大学生達だ。彼らを支持勢力としたアロヨ大統領は、故ディオスダド・マカパガル大統領の娘であるとの威光で急浮上したが、まだ全国的には基盤が弱すぎる。エストラダにほぼ無条件に投票していた貧困層と、アロヨを支持する中産層の間での国論分裂まで懸念されているという。

これらの点で、アジアのほとんどの国が直面している権力層の腐敗を倒したフィリピンのピープル・パワーが、新政府の指導の下に階層間の対立も円満に解決できるかが注目されている。

自由民主主義を信奉する世界の国々は、不義に立ち向かったフィリピン市民の勝利を歓迎しているが、アロヨ政府がまず解決しなければならない課題は、国民統合だと言えよう。経済改革や庶政刷新はその次の目標だろう。