米国務省のリチャード・アーミテージ副長官内定者が、28日、これまでのブッシュ政府の対朝政策に対してより具体的な発言をした事で、朝鮮半島に対する国内外の関心が高まっている。
非公式席上での発言ではあるが、アーミテージ内定者は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との相互主義を強調し、今頃は北朝鮮から肯定的な反応が出ても良い時期、だと話したと言う。また、北朝鮮が示し得る反応としては、休戦ライン近くに前進配置してある北朝鮮軍の後方移動、近代式兵器の縮減、大量殺傷兵器に対する確かな措置ーーなどを挙げていると言う。
だが、何よりも注目されるのは、韓国の北朝鮮に対する政策に関する発言だ。アーミテージ内定者は、「キム・デジュン(金大中)政府が南北関係に政権の運命を授けているので失敗した場合、大きな負担となる。そのため北朝鮮のキム・ジョンイル(金正日)総書記の意見に左右される面がある」と話したと言う事だ。これは北朝鮮の態度とクリントン政府の対朝政策への否定的な認識とともに、韓国の太陽政策に対する懸念を示したものといえる。
確かにこれまで北朝鮮が韓国や周辺諸国に対する態度からすると、疑いを買う一方、信頼を失っても仕方ないといえる。北朝鮮は、朝鮮半島の和平と和解のために、抜本的な変化を遂げようとするよりは、経済的利益だけを追求していた。
このため朝鮮半島の和平定着のための手続きは棚上げにされ、南北ともにイベント的行事ばかりを進めてきた。アーミテージ内定者が北朝鮮の相互主義と前向きな反応を要求し、太陽政策が失敗した場合の例を挙げたのも、その所為であろう。
私たちの中にも、北朝鮮に提供するものが多すぎるとか、一方的に主導されていると言う批判がなくもなかった。対朝政策の透明性に関する議論が続く中、北朝鮮の変化に対する検証がきちんと行われていない状況だ。もしかすると、今は私たちにとってもこれまでの対朝政策を落着いて再検討するべき時ではないだろうか。
だが、このようなブッシュ政権の新しい対朝政策によって米朝間はもちろん、韓米関係において新たな葛藤が生まれるかもしれない。早くもブッシュ政府の政策に対する北朝鮮の反発が卵zされている。中国やロシアも好ましく思っていないようだ。南北関係をめぐって葛藤の火種を払拭するためには、韓米両国は一日でも早く対朝政策を調整し、共助体制を強化すべきだ。