肉よりも栄養があると言われている牛の内蔵だが、それを売り物にしている店というと、煙と匂いが凄まじく、古びて気軽な店の雰囲気を連想する人が多いだろう。
ソウル江南区の駅三(ヨクサム)洞の特許庁の後門に位置する火鉢モツ焼き専門店「誤発弾」(02・57・981)は、店の名前は野暮ったいものの、味と雰囲気は、まさに「江南(カンナム)バージョン」だ。
オーナーのイ・ミョンホ氏(39)は映画狂である上に、映画俳優のチェ・ミンス氏にそっくりで、3年前にはテレビに出演したこともあるという風変わりな経歴の持ち主。店の名前も邦画史上最高の傑作と称えられているユ・ヒョンモク監督の映画「誤発弾」になぞらえたものだという。
鍵のついた靴用ロッカー、ギターの音楽が物静かにかかっているトイレ、暖かいオンドルとエアコン、黄土の壁と調和を成している優しい照明・・・。
オープンしてからまだ2年しか経っていないが、味の良さが口コミで伝わりながら、ランチの時間帯にも1階と2階にある180席すべてが満席で盛況をなすほどたくさんの客で込み合う。
この店の主なメニュー(180g基準)は胃・大腸(1万4,000ウォン)、盲腸・小腸(1万2,000ウォン)など単純な方。
サラリーマンのためのランチメニューには石板プルコギ(300gで5,000ウォン)、手で千切った牛肉がたっぷり入ったウゴジクッパ(5,000ウォン)があり、午前11時から午後3時まで食べられる。
内蔵は部位別に味が違うが、柔らかくてシコシコした歯触りが特徴だ。
シコシコした歯触りが特に強い胃、盲腸と、脂が乗っている大腸、小腸を混ぜ合わせて食べると、それぞれの相性が良いのか、1人あたり2人〜3人分はペロリと平らげてしまう。
オーナーのイさんは「コンジアムの牛市場で韓牛だけを厳選している流通商人から牛の内蔵を毎日購入しています。韓牛の内蔵は匂いがほとんどないので、玉ねぎやゴマの葉を入れなくても食べることができます」と力説する。この店で注文製作したという火鉢、銅の焼き網、換気扇などはモツを薫製式のようにする役割を果たしている。テーブルごとに設置されているラッパのような形の薄く長い換気扇は、一堂に会して食事をしている人の顔を隠さないだけでなく、炭の煙をモツの周りに留まらせた後排出するという「変わった」吸収力を誇る。天然の炭の香りをモツに染み込ませているのが美味しさのポイントだからだ。おかず類では朝鮮人参、松の実、ナツメ、蜂蜜を薄く切った大根に包んで食べる「朝鮮人参大根ビョンジョン」が二日酔いに良く効き、野菜、ニラのジョン、肝臓、センマイ焼きも美味しい。モツ焼きを食べた後、何だか物足りないという人はヌルンジ(ご飯のお焦げ)味噌汁(3,000ウォン)を注文してみよう。年中無休で駐車は80台まで可煤B