水気がほとんどなく、柔らかい肉質のものを選んで刺身にする日本人とは違って、韓国人は”ピンピン”と跳ねるものでなけば、刺し身を食べた気がしないようだ。野性動物よりは遥かに柔らかい方であるが、でも歯応えのないものは「上等の魚」として見做されないからだ。
ソウル中(チュン)区忠武路(チュンムロ)2街所在の中部警察署の隣にある日本料理店「ジャパン」(02・279・945)では、11月末から2月末までの期間、フグの刺身が登場する。値段はその時の相場よって少しずつ違うが、この頃は1人前で5万ウォンであり、フグチリは刺身より5000ウォン安いという。
紙切れのように薄く切った20枚余りの切り身を皿に盛る板前の「包丁さばき」がやや薄情には見えるものの、これを口の中に入れた瞬間、「こりゃ、いける!」との感嘆詞が思わず知らず口から出る。
ランチタイムに限って販売する刺身、てんぷらなどの和食弁当(1マン1000ウォン、1マン5000ウォン)もサラリーマンの長蛇の列が出来るほどの大受けだ。
店主のヤン・キチャン(38)さんは、和食のベテラン。ヤンさんはこの食堂を30数年間運営した相撲選手出身の在日韓国人から作り方を伝授され、98年、経営権も受け継いだ。
テーブルのある1階と畳の敷いてある2階を合せて総70席で、フグ料理以外にも「刺身の盛り合わせ」などの20数種類のメニューがある。食堂の側にある専用駐車場は夕食時に限り無料。
朴喜梯(パク・ヒジェ)記者 min07@donga.com