Go to contents

[寄稿]北朝鮮、「第2の東ドイツ」になる可能性も

[寄稿]北朝鮮、「第2の東ドイツ」になる可能性も

Posted February. 20, 2001 14:16,   

한국어

分断ヨーロッパの最後の時期に開かれたドイツの建国40周年の記念行事に参加したミハイル・ゴルバチョフ共産党書記長は「遅刻した人は命を失うような罰を受ける」と述べ、東ドイツ政権の生存可能性が希薄である事を断言した。

ヨーロッパで共産主義が没落する事を見守った朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の指導者階層は衝撃を受けざるを得なかった。しかし、北朝鮮は、それを共産主義の正道から逸した結果として受け止め、苦しい状況を乗り越えるために必死になった。結局、北朝鮮政権は生き残ったものの、政治的な硬直性のゆえ、甚だしいツケが回ってきた。

朝鮮半島の未来に関する数多くの論議で、核心的な主題は『北朝鮮は変わっているのか』、『変わっているならどれ程度変わっているのか』という問題である。北朝鮮政権は古伝的な言い方をすれば、適応するか、もしくは死滅せざるをえないという事実が分かっている。また、多くの人々は「適応しようとする欲求は、権力を握っている人々の政治的な統制力を維持するために出たものだ」と同意する。

北朝鮮政権が改革という用語を避けてきたのも事実のようだが、ここ数年の間、かなりの変化が起きた。北朝鮮は1998年の憲法改正に続いて、瀕死状態にある産業部門に対しても構造改革に乗り出した。次の対象は、中央集中的な配給体制の失敗を考慮した商業部門の構造改革であった。

北朝鮮の政治状況の変化について仮定するのは、十分な情報が無いため、危険要素をはらんでいる。しかし、一部の北朝鮮専門家らは北朝鮮の指導者階層内で激しい理念論争が繰り広げられていると言う。金正日(キム・ジョンイル)総書記が「当面起こっている多くの挑戦に対処するため、一種のペレストロイカが必要だ」と強調したとの報道もあった。

しかし、どの線まで北朝鮮政権が改革を遂行出来るのかという核心的な質問はまだ残っている。支配階層の政治的な統制力を維持しながら北朝鮮の存立自体を脅かさない程度で経済的、外交的な開放を推進できる生存戦略というものが、果たして存在するのか。一部の専門家は「経済の自由化が政治的な民主化につながり、これによって共産主義の権力独占は終息する」と予想する。

ある韓国学者は、「韓国が無かったなら、北朝鮮は中国よりも先に改革政策に乗り出したかも知れない」と述べた。これは実に鋭い指摘だ。何故なら、これは北朝鮮が持つ改革への努力の中の構造的な限界を間接的に指摘しているからだ。このような制約は、主に分断された朝鮮半島のもうひとつの一面、つまり韓国の地理的な近接性から起因する。北朝鮮からイデオロギーや共産主義的な経済運営体制を剥奪すると、北朝鮮政権の存立理由自体は無くなってしまう。資本主義体制の韓国の隣では北朝鮮の資本主義体制は存立できないのだ。

この点において、朝鮮半島は中国とは異り、むしろ80年代のドイツに似ている。西ドイツの階級闘争の対象について理念的な差をはっきりさせるため、東ドイツの共産主義者は全ての形の真摯なる改革を拒否した。よって、彼らはゴルバチョフ元書記長の予想した通りに命を奪われる罰を受けてしまった。朝鮮半島でもこういう歴史が繰り返さないとは言いきれないだろう。