現代(ヒュンダイ)グループの創業者であると同時に韓国経済界の大御所であった鄭周永(チョン・ジュヨン)前現代グループ名誉会長が21日午後10時他界した。享年86才。
鄭氏は同日午後、突如息切れを起こすとともに意識不明になり、ソウル中央病院の医療陣の応急手当てを受けたものの、結局回復できずに息をひきとるに至った。死因は肺炎による急性呼吸不全。鄭夢九(チョン・モング)、夢根(モングン)、夢憲(モンホン)、夢準(モンジュン)、夢允(モンユン)、夢一(モンイル)氏などの息子達と鄭仁永(チョン・インヨン)、順永(スンヨン)、世永(セヨン)、相永(サンヨン)、順永(スンヨン)氏などの兄弟が最後を見届けた。
故人は、現代グループが兄弟間の経営権を取り巻く紛争に巻き込まれ、流動性の危機に陥った昨年の春から気力が衰え、外部の活動を殆んどしないまま、病院と自宅で医療陣の看護を受けてきた。
1915年江原(カンウォン)道トンチョンで貧農の息子として生まれた故人は、18才の時、無一文で上京し、誠実と勤勉さで韓国最高の財閥を作り上げ、韓国の経済発展を牽引してきた。「やれば出来る」との信念で、ソウルー釜山(プサン)間高速道路を建設し、中東の建設市場に進出してオイルマネーを稼いだ一方、製造業において不毛の地だった韓国に自動車と重工業の発展の基礎を固めた。また、ソウルオリンピックを誘置し、オリンピック開催の成功にも大きく寄与した。
92年、大統領選挙に出馬したが落選の苦杯を嘗めた故人は、98年牛の群れを連れて板門店(パンムンジョン)を越えて朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を訪問し、南北経済協力の基盤作りにも一役買った。
故人の遺体は、真夜中にソウル チョンウン洞にある自宅に移され、国内外の全事業場には焼香所が設けられた。葬式は25日自宅で家族葬で行なわれ、墓地は京畿(キョンギ)道ハナム市チャンウ里にある家族墓地である。
キム・ドンウォン、ハ・イムスク記者 daviskim@donga.com