政府が、27日(火)に確定した「2002年度予算編成指針」は、来年度のわが国の舵取りがいかに難しいかを物語っている。景気沈滞で財源が制限されるうえに歳出要因は急増しているため、政府は新規事業をできるだけ抑え、人件費と基本事業費を今年の水準で凍結するという意志を明らかにしているが、そのうちどれだけ実現されるかは見守る必要がある。すでに各部処が要求している来年度予算が今年より65%近く増えていることだけを見ても、予算案編成の道の険しさを物語っている。政府は調整は困難を極めるものと思われる。
にもかかわらず、政府の計画を早くから疑わせる要素がある。第一にこの指針が、今年の経済成長率を5%と見積もって作ったという点。すでに韓国開発研究院(KDI)など、大部分の国内経済分析機関は、今年の成長率が当初の予想を下回る4%台に留まると予想していることを思い出して欲しい。さらに来年度には義務教育の拡大に伴う財政支援など、新規固定支出が続々と増えている。むしろ歳出が計画よりも縮小されなければならないはずだ。政府はどんな対策を用意しているのだろうか。そして何よりも懸念されるのは、来年行なわれる各政治行事だ。過去の例
を見ると、選挙が行なわれる年には、例外なく政治論理に支配された行政府が膨脹予算を組んできたことは事実である。もちろん予算編成の過程では今回同様緊縮を強調しながら、後になって巧妙に偽られた選挙予算を編成してきたことも、これまで例外なく行なわれてきている。大統領選挙を控えた時点において、果たして行政府がその呪縛からどれだけ自由でいられるかである。
特に今回に限ってそんなことが起きてはならない最大の理由は、過去と異なる財政状態にある。1997年末の経済危機から始まった財政悪化は、少なくとも過去20年間には経験したことのない状況である。政府が2003年には均衡財政を実現させるという青写真を強調しているが、来年度予算が過去のように選挙に左右されれば、その目標は水の泡となる。
財政がこのまま不安な状態が続いた場合、その負担は全て国民がかぶることになる。来年負担する公的資金と国債の利子だけで1兆7500億ウォン(約1750億円)に達するという事実を念頭におく必要がある。その意味でも予算当局の決然とした緊縮意志と政界の自制が求められる。現政権が、現在国が抱えている借金を次期政権にどれだけ残すかは、来年度予算をどう編成するかにかかっているだけに、国民はその過程をつぶさに見守っていくはずだ。