<今回の調査は韓国とアメリカで満20歳から満39歳までの男女を対象に先月16日から23日まで8日間実施したもの。韓国とアメリカでそれぞれ1,000人ずつ無差別に調査対象を選び出し、20・30代の性別および年齢別の比率に合わせて調査対象者を標本抽出して実施された。
韓国では地域別の募集団人口の比率によって解答者の数を割り当てた後、地域別に性別・年齢を割り当ててから標本を選び出し、比例割り当て抽出法を使用した。調査方式は調査員が直接家まで訪問し、解答者と個別面接する形で行われた。
アメリカではコンピューターを活用した電話調査システム(CATI)によって無作為抽出法で選んだ解答者を対象に、電話による調査が実施された。韓国ではリサーチアンドリサーチ(R&R)、アメリカではゾグビー(Zogby)インターナショナルが調査を担当し、標本誤差は韓国とアメリカどちらとも95%の信頼水準から±3.2%。--編集者註>
1. 余暇生活−ボランティア
20、30代の韓国人はアメリカ人よりも運動や文化生活などのプライベートな余暇活動の時間が少なく、ボランティア活動も微々たるものであるという調査結果が出た。
調査対象の韓国人のうち、23%だけが規則的な運動をしており、主にフィットネスや水泳、ジョギングなどをしていると答えた。アメリカ人は87%がウォーキング、ジョギング、フィットネス、自転車など、規則的に幅広い運動をしていることが分かった。
韓国人は映画、演劇、ミュージカル、音楽会、オペラ、スポーツ競技、美術館や博物館の観覧などの文化生活を楽しんでいないという調査結果が出た。1年に映画を1度も観ないと答えた20、30代が34%で、演劇やミュージカル、音楽会、オペラは80%以上が1年に1度も観ないということが分かった。
しかしアメリカ人は文化生活を楽しむ人が韓国よりはるかに多く、回数も多かった。また、韓国人は20代の映画観覧の比率が高く、30代になるとその比率が低くなるが、アメリカ人は年齢にかかわらず文化生活を楽しんでいるという点が大きく違っていた。インターネットの利用は、韓国とアメリカで大きな差はなかった。韓国人もアメリカ人もどちらも40%以上が毎日インターネットを利用しており、インターネットをほとんど利用しない人や接続自体が不可能というケースは韓国34%、アメリカ21%だった。
一方、20、30代の韓国人とアメリカ人のボランティア活動の実態を見ると、その差がかなり大きかった。韓国人は85%が年に1度もボランティアをしないと答えているが、アメリカ人は83%がボランティア活動をすると答えている。
2. 価値観-生活満足度
20、30代の韓国人の約半分程度(52%)が「どのような生き方が正しいのか分からない時がある」と答え、人生に対する価値観の混乱を感じている人が多いことが分かった。特に、調査対象者の58%が「韓国社会は努力だけでは成功することが難しい」と答えており、42%は「韓国社会では法と秩序を守ると損をする」と答えている。これは韓国社会の不公正さと法秩序に対する信頼喪失が深刻な水準であることを物語っている。
韓国人は社会に対する不満足度もかなり高いという調査結果が出たが、韓国社会に満足していると答えたのは4人中1人の割合で(24%)で、76%は不満足だと答えている。
アメリカ人の場合、「どのような生き方が正しいのか分からない時がある」、「努力だけでは成功することが難しい」、「法と秩序を守ると損をする」と答えた人はそれぞれ10%程度にしかならなかった。また、アメリカ社会に満足していると答えた人が60%にも及んでいる。
家庭生活、職場生活、余暇および趣味生活など、個人的な生活に対する韓国人の満足度は、社会に対する満足度よりも高いが、アメリカ人の満足度には及ばなかった。
20、30代のアメリカ人の満足度は、家庭生活96%、余暇および趣味生活48%、職場生活70%と余暇および生活に対する満足度は低かった。
韓国人の人生の目標は「自分のしたいことをしながら生きること」(45%)と「経済的に豊かになること」(42%)が最も多かった。人生の目標は年齢によって違い、20代のはじめは54%が「自分のしたいことをしながら生きること」だが、30代後半になるとその比率が37%に減り、「経済的に豊かになる」ことを一番の目標にする人が51%に増え、経済的な余裕を追求する人が多くなることが分かった。
一方、アメリカ人解答者の66%は「自分のしたいことをしながら生きる」のが人生の目標だと答えており、「社会のために奉仕する」のが人生の目標だと答えた人が19%にもなった。「経済的に豊かになること」を目標にした人は7%にしかならなかった。
しかしアメリカ人も経済的な問題がない訳ではなく、韓国人と同様、ストレスを感じる主な要因として経済的な問題を一番に挙げた(韓国19%、アメリカ24%)。次にストレスを感じる要因は職業や業務と関連したこと(韓国15%、アメリカ19%)と子供の問題(韓国11%、アメリカ11%)を挙げている。
アメリカ人も経済的な問題でストレスを多く受けているが、経済的に豊かになるということを人生の目標にしている人は相対的に少かった。韓国人は年齢が上がる程、経済的な問題を人生の目標にする人が多いと解釈することができる。
韓国人とアメリカ人の政府に対する期待を比べてみると、韓国人は経済繁栄(44%)、社会福祉(27%)、社会秩序(11%)などに期待を寄せており、アメリカ人は軍事的安保(30%)、個人の自由の保障(23%)、教育(11%)などに期待しているとの調査結果が出た。
3. 職場生活−財テク
両国共、20、30代のサラリーマンはよく転職することが分かった。
韓国人の場合、44%が1〜2度は転職しており、3回以上転職しているケースも33%に及んだ。1度も転職していないという人は24%にしかならなかった。
アメリカ人は3回以上転職しているケースが57%にもなり、韓国人よりも頻繁に転職しているということが分かった。
職場を選択する基準は、両国とも報酬(韓国28%、アメリカ19%)と将来性(韓国27%、アメリカ24%)を重視し、女性の場合は、両国共、働く時間や休暇、同僚や職場の雰囲気などを重視するという調査結果が出た。
現在、20、30代のサラリーマンは50代または60代まで働きたいと思っている人が多いが、アメリカでは50代まで働きたいという答えが38%と、韓国(29%)よりも多かった。しかし、60代まで働きたいという答えは34%と両国が同じ程度だった。
韓国人は大部分、貯蓄(83%)によって財テクをしており、株式投資(7%)や不動産投資(4%)をする人は少なかった。しかしアメリカ人は貯蓄(57%)、株式投資(54%)、不動産投資(15%)、骨董品・美術品による財テク(12%)など、色々な方法で財産を管理していることが分かった。
共稼ぎ夫婦の場合、韓国では5世帯のうち4世帯(80%)が収入を妻が管理しているが、アメリカでは妻が管理している家庭は24%にしかならず、40%は収入を夫婦各自が管理している。韓国では7%だけが各自で管理していると答えている。
4.結婚−離婚
結婚と離婚に対する考え方は両国の差がはっきりと表れた。結婚生活で比重を置く部分にも差があった。
韓国人は63%が結婚は「必ずしなければならない」(21%)か「した方が良い」(42%)と考えているが、アメリカの場合は51%が(必ずしなければならない26%、した方が良い25%)結婚を肯定的に考えていることが分かった。韓国人の場合は、結婚を「必ずする必要はない」(33%)や「しない方が良い」(2%)と否定的に考えている人が3人のうち1人はいるという結果が出た。
離婚の理由として考えられるのは、韓国人の場合、性格の不一致(65%)、暴力(65%)、浮気(60%)、愛情を感じなくなった時(37%)、常習的な飲酒(20%)ーーなどの順だった。しかしアメリカ人は、暴力(84%)、浮気(74%)、愛情を感じなくなった時(51%)、常習的な飲酒(47%)、性格の不一致(31%)ーーなどの順だった。
アメリカ人は韓国人よりも配偶者の暴力、浮気、飲酒、愛情不足などを重要な離婚の理由だと考えており、韓国人はアメリカ人よりも性格の不一致をより重要な理由に挙げていることになる。性的な不満足を離婚の理由に挙げる率は、韓国人12%、アメリカ人14%だった。既婚者が愛人を持つことを許すという答えは韓国人が15%だったことに比べ、アメリカ人はその半分にも満たない6%に留まった。シングルマザーに関しては、アメリカ人の47%、韓国人の23%が許せないと答えた。