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日本の教科書、どこに向かうのか(中)

Posted April. 04, 2001 19:13,   

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昨年8月、‘新しい歴史の教科書をつくる会’(以下、‘つくる会’とする)が執筆した教科書の内容の一部が広まって以来、韓・日両国は神経を研ぎすまさざるを得なかった。日本政府の検定介入の可能性と、内政干渉の如何、内容の漏洩に対する疑惑などの3通りが主な争点だった。

事態の核心は、歴史を偽った教科書の内容に対する修正だったが、両国の観点の差は付随的な状況にも表れた。韓・日両国は、3日に公開された教科書の内容についても相反する見解を見せた。

韓国は、「日本の教科書は国定ではなく検定であるため、政府が介入する余地がない」という日本側の主張を信じない。

日本は1948年から教科書の検定制度を実施している。民間の出版社に教科書の編纂を委任して、創意性の高い教科書を作るというものだが、この過程で内容に偏向性が生じることもあるため、文部科学省に検定権を与えるというのが検定制度の趣旨だ。

韓国側の考えは異なる。教科用図書検定調査審議会が文部科学省の諮問機関なのに加え、文部科学省が最終的に合否を決定する以上、政府が教科書検定に介入できないというのは言い訳に過ぎないと考えている。実際は‘国家認定’教科書だという考えだ。

韓国が‘つくる会’側の教科書を批判し、是正を要求するや、日本側は‘内政干渉’だという主張で相対した。自由民主党(自民党)の文京科学部会が「国内外の不当な要求があろうと、最後まで厳正で公正な検定がなされなければならない」という決議案を採択するほどだ。

しかし、朴相千(パク・サンチョン)新千年民主党(民主党)最高委員は、先月15日に町村信孝文部科学相に会い、「日本が韓国を侵略した事実は、日本の歴史であると同時に韓国の歴史でもある」とし、‘国際問題説’で対抗した。

坂本義和東大名誉教授も、「日本の政治家や官僚の汚職事件を記述しろというのではなく、日本が起こした戦争、または植民支配で大きな被害を被った人々が、そのような誤った対外政策について正確に記述することを要求したもの」とし、‘内政干渉’という主張に反駁した。

教科書の内容漏洩の争点は、誰が、どんな意図からこれを公開したのか、というものだ。日本の文部科学省は、検定が終わるまでは教科書の内容を公開できないようにしてきた。

産経新聞は、日本の一部のマスコミが、韓国、中国などの外圧を呼び込むために、わざと流したと主張している。一時、韓国を疑う向きもあった。しかし、‘つくる会’側の教科書に反対する市民団体などは、むしろ文部科学省や出版社側が、事前に反応を見るために意図的に流したものだと主張した。このような問題点から、日本の内部でも検定制度を廃止せよだとか、検定の過程を全面公開せよとの要求がおきている。ただ、内容をまったく知らされずに、韓国や中国の反発もなく検定が終わっていたとしたら、‘つくる会’側の教科書がもっとひどい内容を含んだままで合格していただろうことは明らかだ。

町村文部科学相は3日、‘つくる会’側の教科書に対し、「最初はかなり偏っていると感じたが、修正後に合格したものは、かなり中間的なものになった」とし、「明らかな間違いがあると思わないので、修正は考えていない」と明らかにした。これは韓国と中国の政府が再修正を要求してきたとしても、これに応じない旨を明らかにしたものだ。

韓国側は、直したとは言うが、自国中心主義的な史観に基づいて、過去の過ちを正当化し、美化しようとする内容が、依然として残っていると考えており、両国の視点の差は一向に狭まっていない。



シム・ギョソン特派員 ksshim@donga.com