李仁済(イ・インジェ)民主党最高委員が執権与党を代表して4日国会演説で披露した経済分野への認識は、まさに「薔薇色」そのものであった。彼は「海外の経済情勢は不透明だが、我が経済の体制は強固になりつつあり、下半期からは好調の局面に突入するだろう」と主張した。また、「政府の4大改革は不十分な部分があるにせよ、一旦成功裡に終了した」との立場も付け加えた。
しかし、同日、国内の金融市場で発生した一連のことは、こうした「大言壮語」を空しくするに充分だった。政府の緊急な株式市場対策にも関わらず、総合株価指数は500台が崩れ、2年4ヶ月ぶりに最安値を記録した。
ウォンの為替レートは、2年半ぶりに最も高い1ドル当たり1365ウォン台に急騰するなど、株、外国為替、債権市場が揃って「不安の波」に巻き込まれた。景気低迷をはじめ、物価および失業率の上昇、輸出の滞りなどの実物部門での「赤信号」までを考えた場合、いくら日米両国の景気低迷を見通したとしても、「経済体制が強固になった」との主張は「言葉の遊び」としか捉えようがない。
与党よりはマシだとはいえ、政府の景気への認識と処方もそれほど大きく変わらない。
最近、マスコミを通じて連日のように国民に訴えている「自信が経済を変える」との内容の「公益広告」を考えてみよう。専門家の指摘によると「経済に及ぼす心理的な要因の重要さは認められるとしても、韓国経済が現在ぶつかっている障壁を「心理戦」だけで乗り越えることは至難の技だ」という。
政府側が国際石油価格の急騰や現代建設の処理問題、日米の経済低迷など、足下に火がつく都度駆使してきたコンチンジェンシー・プラン(contingency plan、非常対策)ももうウンザリという感じである。充分な備え策があるという「雰囲気」は感じさせるものの、具体的にどんな内容なのかはいつも公開していない。
政府側には、内憂外患(内外共の不安)のため、経済のほぼ全部門が揺いでいる現在の状況をありのまま分析し、政策の優先順位を明確にしてほしい。現実意識の欠けている空虚な経済認識について聞きたがる国民はもういないはずだ。
權純活(クォン・スンファル)記者 shkwon@donga.com