「家族にとって恥ずかしいお父さんにはなれません」ある模範タクシー(高級タクシー)運転手の善行が外国人乗客に感動を与えた。
タクシー運転23年目のキム・ハンギ(金漢基)さん(53)は昨年10月キムポ(金浦)空港国内線庁舎前でカナダ人事業家ジャン・ポール・プワローさん(52)をソウル・ジュン(中)区ソゴン(小公)洞にあるロッテホテルまで乗せた。タクシー代は2万5000ウォン。ビジネスで韓国や日本などを出入りしているブワローさんは韓国のウォンと日本円を間違えて日本円2万5000円(約25万ウォン)を払ってタクシーを降りた。
その場でこれを確認しなかったキムさんは後になって信号待ちしている時に自分が料金の10倍以上を受け取ったことを知った。お金を返すために再びロッテホテルに向かったキムさんはあわててホテルのフロントに問い合わせたが、ブワローさんを探すことはできなかった。キムさんは持ち主に返してほしいと頼んでお金をホテルに預けた。
ホテル側はキムさんが客を降ろしたという時間帯のCCTVを検索、二日後にそれがブワローさんであることを突き止めた。しかしブワローさんは既にカナダへ発った後。ホテル側はあちこちに問い合わせてブワローさんのカナダ住所を調べ、このような経緯を知らせた。
ビジネスで再び韓国を訪れたブワローさんは18日、ホテルからタクシー代を返してもらった。ブワローさんはキムさんに会いたかったが、日程が合わず残念に思いながら21日韓国を去った。
この事を聞いたキムさんは「当たり前のことをしただけなのに私に会いたいなんてこちらこそ身の置き所がない。一日中働いて儲けが15万ウォンの私に25万ウォンは大金かも知れないが、家族を失望させたくなかった」と話した。
パク・ミンヒョック記者 mhpark@donga.com