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[社説] 部下に金をもらうのが慣例なのか

Posted April. 23, 2001 18:33,   

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自分の運転士(軍人)に3700万ウォンという巨額を盗まれた、韓国国防部の文日燮(ムン・イルソプ)前次官の言い訳は実にあきれた内容だ。文前次官は、現職次官だった一カ月前、家にあった額面10万ウォンの小切手70枚と現金800万ウォン、米ドル1万7000ドルを盗まれた。そのうち米ドルは昨年の8月の次官就任以降、7、8回に渡る海外出張で残ったものと、3月26日に予定されていたトルコ出張を控えて軍の幹部たちから受け取ったものだという。文前次官はまた、海外出張前には職員たちが金を集めるのが慣例だと付け加えた。公職者が海外出張に出るとき、上司が部下に些少の餞別を渡すのはよくあることだ。しかし、上司が部下から寸志を受け取るのも慣例だというのか。ましてや、一回の海外旅行に数千ドルも受け取ったとしたら、それはすでに寸志ではなくて賄賂と見るしかない。公務員の給料で少なくない金額を上司に渡したというのも疑問だが、その魂胆も非常に疑問だ。一言で、このような非常識な金品の授受は、より大きな不正に発展する余地が多すぎる。

このようなことが慣例だというなら、すぐにも根絶やしにしなくてはならない。誤った慣例が続けば、国民の不信はもちろんのこと、それよりも国が滅びるしかない。ましてや今回の事件の場合は、一つの省のやりくりを受け持つ次官という者が、部下の模範はおろか旧態と悪習に関連したという点で非難を浴びてこそ当たり前といえる。文前次官は現金の部分に対し、公務処理に必要な費用の残りだとしたが、この金は職務の遂行に関連して使うものだ。そのような金がなぜ彼の家に残っていたのか。政府高官の公費が、余るほど十分に支給されているのなら、大幅に削減して当然だ。この事件当時、文前次官が盗まれた金額がいくらなのかもわからず、段ボール箱に入った金がベランダに置かれていたという警察の情況説明にいたっては、あきれてものが言えないほどだ。極端に言って、高利貸しから何百万ウォンの金を借りるために、「身体放棄念書」まで書かなければならない庶民にしてみれば、文前次官は金があり余っているのか、というため息が聞こえてくるほどだ。

いわゆる「美風良俗」という名分のもとに続いてきた公職者のこのような行為は、徹底的に根絶やしにしなくてはならない。このような悪習が続けば、政府が主張するクリーンな社会は空念仏に終わるしかない。公職者は国民を怖れるすべも知らなくてはならない。