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大学生の学力低下(下)

Posted May. 02, 2001 11:05,   

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「第7次教育課程に基づいて教育を受けた高校生が大学に入学する2005年から、小学校5年生レベルの数学の実力で大学に入ってくる学生が実際にいると思います」。( 湖西大学、イ・チュンホ教授)

「修学能力試験(日本のセンター試験にあたる)を受けた世代の学力が急速に低下しており、大学も講義方式を変え、テキストを改めるなどの対策を講じるべきです」。(ソウル大学、チェ・ヒョイン教授)

ソウル大、延世(ヨンセ)大学、韓成(ハンソン)大学、湖西(ホソ)大学などの自然学部、経営学部、工学部、教育学部の教授らが99年末に大学生が直面している数学教育の危機について討論した場でのやり取りだ。学力の低下はここ数年間、大学教育においての重要なキーワードになっている。 学力低下に対する原因分析と解決策をまとめるための体系的な努力が求められている。

▽勉強する必要はない?

西江(ソガン)大学社会学部2年生の全某氏(20)は、「高校で世界史を習わずに大学に入学したが、歴史の知識が足りなくて、講義の内容を理解するのに苦労した」とし、「大学生は試験科目と難易度が頻繁に変わる大学入試制度の犠牲となっている」と述べている。毎年のように変わる入試政策は、高校生の学力低下を招いている。修学能力試験で初歩的な質問だけ出題している状況のもとで、試験に出ない問題や分野については勉強する必要性を感じていない学生たちに、大学での勉強に必要な教養を身に付けることを期待するのは無理だ。

▽大学生の実態を直視すべき

ソウル大学韓国史学科の李泰鎮(イ・テジン)教授は高校3年になる甥からの質問を聞いて嘆かわしい思いを禁じ得なかった。甥は、伊籐博文の師と知られている日本明治時代の「鬼頭」という人物について知りたがっていた。李教授は韓国の高校生が知るはずのない人物だと思い、甥に「鬼頭」の名をどこで聞いたのかと聞いてみた。甥は「日本の漫画主人公なんだけど、仲間同士では有名だ」と答えた。

李教授は「パソコンゲームやテレビドラマ、コミックスなどから、歪曲された歴史知識に触れる大学生が増えている」とし、「読書を通じて正確な知識を学び、そして悩む学生が少なくなっている」と話した。また李教授は「デジタル世代の学生を、既成世代の視点で学歴低下について論じるのは不合理なことなのかもしれない」と付け加えた。

最近の大学生は、これまでとは異なるライフスタイルと個性を持っている。殆どの大学では人文・社会科学の専門書を読んで討論する学会活動が少なくなっており、かつてはなかった「ロックバンド」や「ダンス」サークルなどが活気づいていることからも、時代の変化を感じさせる。ハングル世代への変化もまた一つの要因だ。最近、司法試験の教材として人気が高かまっている民法の教材も漢字をハングルに書き直した改訂版が出ており、「新世代の司法試験受験生」から人気を集めている。

解決策は如何に?

やさしい修学能力試験の弊害を補う入試制度の見直しは、誰もが共感している学力の低下に対する基本的な解決策だ。難しい問題ばかりを相手にしなければならなかったかつての入試スタイルではなく、基本概念を理解し、それを活用して自ら問題を解決していく形の入試制度が必要なのである。

高いレベルの思考能力が求められる大学講義を理解できる程度の資質を備えた、文字どおりの大学修学能力試験でなければならない。

大学側も、一昔前の古い内容を黒板に並べるだけの従来の教授法から脱却しなければならない。新世代の大学生に合わせて、大学のカリキュラムと教授法を変えるべきだ。外国のように大学の中に様々な予備のカリキュラムを設け、学生たちの学力低下を防ぎ、そして補う仕組みが必要だ。

高麗大学理科学部1年生のキム・ヨンヒョン君(19)は、殆どの講義が黒板に書いていく形で行われるので退屈だとし、パソコンやビデオなどを使って講義すれば、理解に役立つはずと付け加えた。

韓国科学技術院数学科の韓相根(ハン・サングン)教授は、「学生たち自ら勉強に対するモチーフを見出せる高校教育や、学生のレベルとニーズに応じて差別化された大学教育が必要だと語った。



ハ・ジュンウ hawoo@donga.com