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輸出の改善を図る

Posted May. 04, 2001 09:16,   

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韓国の輸出基盤が危うい。輸出の伸び率が前年同期比で2ヵ月連続後退しているうえ、減少幅も26ヵ月ぶりの下落幅となる9.3%を記録したことで、経済全体に不安感が広がっている。3日、大統領府で開かれた関係省庁長官の懇談会では対策がまとめられたが、大半がその場しのぎの対症療法的な臨時措置にすぎない感をぬぐえない。

もちろん、輸出不振が世界的な景気低迷から始まったことは否めない事実だ。米国と日本の景気低迷により、この両国を主な輸出対象国としている国々で軒並み輸出が減少している状況で、韓国だけが例外であるはずもない。しかし、いくつかの理由から、今の状況をもたらした責任の根底が韓国政府にあると思う。

まず、これまで長期にわたってウォン安ドル高が続いたにもかかわらず、輸出競争力が弱まっているのは、産業政策の不在を意味する。当局がウォン安を容認した主な理由は、輸出競争力にプラスになるという狙いだったが、逆に輸出がこれだけ低迷し、物価が不安になっているのは、為替・輸出・物価関連の政府施策の失敗を意味する。経済政策に総合性が欠けている良い例でもある。

その上、輸出の減少を上回るペースで輸入が減り、輸入構造が悪化する現象は、注意深く見守るべきことだ。資本財の輸入増加率が4月中にマイナス23.4%にまで落ち込んだことから、企業の設備投資がどれほど冷え込んでいるかが分かる。設備投資が落ち込めば、企業の生産能力が低下し、成長潜在力を弱めるという点に問題の深刻さがある。

政府は投資税額控除期間の延長を提示したが、この対策が何の効果もないことは、今の状況を見れば分かる。

またもや、場当たり的な対策をまとめたとしか言いようがない。企業家が投資をしない根本の理由は、市場の不透明さにある。未来への不安は、経済的な予測からも生じるが、心理的な要因も作用する。

企業の意欲を失わせる要因の一つは、政府の行き過ぎた干渉と規制だ。市場における政府の役割は、参入と撤退の障壁を取り除き、自由な競争を保障することだ。しかし、公正取引委員会のような政府機関が過度に市場に介入し、下方標準化式の経済、横並びの平等主義的な経済を求めるとしたら、企業の意欲は落ち込むばかりで、そのような状況では輸出の増加はとても期待できない。

企業家が資本主義経済体制のもとで、市場のルールにのっとって、投資を活性化し、善意の競争ができるとの確信が持てる雰囲気を作ることが今、政府が早急に取り組むべき課題である。