Go to contents

古代列女伝、女性の犠牲を美化

Posted May. 07, 2001 09:49,   

한국어

「東洋的なフェミニズム」について考える場が設けられる。中国語文学会と韓国女性研究院、女性神学研究所は12日9時30分、梨花(イファ)女子大学の人文館で「東アジアの女性の類型、そのイメージの系譜学」をテーマに学術大会を開催する。

中国の漢王朝時代に書かれた「列女伝」で描かれた女性の姿から、東洋における女性の現実を集中的に探る今回の学術大会は、欧米の論理から脱皮して、東洋で独自に育まれた女性学を議論するという点で関心を集めている。

「列女伝」は紀元前1世紀、劉向(りゅうきょう)が編纂した中国最初の女性伝記集で、女性の教育書として伝えられた。「禮記」で示している儒教的な女性観に基づき、「母儀」(夫と子供に尽くす女性)、「賢明」(道理をわきまえる女性)、「仁智」(識見と才能が優れている女性)、「貞順」(礼儀正しい女性)、「節義」(節操を守る女性)、「弁通」(話術に長けており、日常の出来事に柔軟に対処する女性)、「げつ嬖(げつへい)」(淫らな女性)など見習うべき対象と、非難されるべき対象の7つの類型の女性、104名の伝記を記した本である。

西江(ソガン)大中国文化学科教授のパク ヨンヒ氏は、「女性伝記の構成原理とその談論」と題した発表で、「列女伝」の持つ限界を指摘する。列女伝のような伝記は一人の人物にまつわる出来事を当時のイデオロギーに合致する形で再構成したものに過ぎないとの主張だ。したがって、家父長的な儒教思想が前面に打ち出されていた漢王朝時代に書かれた列女伝は、当時の女性の現実を客観的に記したものではなく、その裏に内在していた男性中心の物語に過ぎないと指摘している。

高麗(コリョ)大中文学科教授のソン チョンハ氏は「神話の中の処女から歴史の中の母親へ」と題した論文で、母性という美名のもとで無理やり犠牲を強いられる当時の社会像を紹介している。

妊娠と出産の苦痛、子育ての厳しさ、その過程で現れる心理的な変化など、女性の内面の分析は徹底的に排除されたまま、「良妻賢母」という画一した女性像だけを示し、結局、家父長的な時代像を描いているだけだと指摘している。

梨花女子大中文学科教授のチョン ジェソ氏は 、「列女伝」の登場人物の中で、父を救うために自分は官僚の召し使いとなるチェヨンの説話を紹介し、女性に犠牲を強いる当時の社会像を分析している。

韓国人女性の現実のルーツをここから求めることができるというのが、チョン教授の分析。チョン教授は、このようなチェヨンのイメージが弟の大学進学のために工場で働かざるを得なかった70年代の女子工員と、司法試験を準備していた兄のために援助交際にはしる映画「世紀末」の「ソリョン」の姿にも投影されているとして、韓国社会は依然としてもうひとつの「チェヨン」を生み出していると力説する。

チョン教授は「今回の研究は『韓国的フェミニズム』研究の基盤を設けたことに意義がある」とし、「韓国人女性の系譜を整理するのが、独自に育まれた女性学論議の第一歩だと思う」と述べた。

中国語文学会がこれまでの3年間準備した結果を発表するこの学術会議には、梨花女子大中国語文学科教授のキム・ヨンミ氏、ソウル大中国語文学科教授のチョ スクジャ氏、延世大中国語文学科教授のチェ ジンア氏が発表者として参加する。



skkim@donga.com