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財政政策に問題ある

Posted May. 08, 2001 11:05,   

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政府の経済政策のシンクタンク、韓国開発研究院(KDI)の康奉均(カン ボンギュン)院長が、歳出増加を抑制し財政健全性を回復させる必要性を訴えたことに政府与党は耳を傾けるべきだ。

97年の経済危機以後、国家債務の増加がスピードを増し、初期段階で債務を減らすことが国家の緊急課題として浮上したにもかかわらず、政府与党はこれに反する態度をとっている。与党民主党は歳入剰余金などで補正予算5兆ウォンを編成し、地方交付金の清算、健康保険の財政赤字への支援、失業対策予算などに向ける考えだ。本年度予算を組んだ当初は、予算増加率が経済成長率より低いことから「膨張予算」ではないと主張していたが、わずか5ヵ月後に補正予算を編成するしているのは財政健全化への努力とは程遠いと言える。

政府は国内総生産(GDP)に対する国家債務の割合が、経済協力開発機構(OECD)加盟国の平均水準より低いと主張しているが、このような国際比較は金額が明確に確定したものだけを含める国際通貨基金(IMF)基準によるものだ。昨年は全体予算の8%を公的資金と国債の利子の支払いに回した。134兆7000億ウォンが投入された公的資金も、未回収分は国家負債となるほかない。国民年金と健康保険もこのままでは国家財政悪化の要因となる恐れがある。

米国、日本など主要国の景気悪化の影響で韓国経済が深刻な困難に直面したとき、政府として有効かつ適切な財政手段を講じずにいるわけにはいかない。しかし、果たして補正予算を編成しなければならないほど、今の状況が緊急であるかは疑問だ。

健康保険の財政危機は、医薬分業の推進過程で医師や薬剤師らの反発をなだめるために、医療保険診療報酬と院外の処方料を無理に引き上げたことによるものだ。健康保険の支出は、加入者が支払う保険料の範囲内であることが原則だ。医療報酬の引き上げ分を再調整し、虚偽の不当請求への審査機能を強化しなければ、健康保険はともすれば国家財政のブラックホールになりかねない。

失業対策予算もすでに本予算に反映されたものだ。度が過ぎれば「人気取り」と批判されるても仕方ない。国民年金や公務員年金など公的年金も「低負担高給与」の構造を是正しなければ、財政が枯渇し国家財政の負担となる。

KDIが忠告したように、物価を安定させ新たな経済危機などの外生的な衝撃に備えるためにも、財政収支を漸次改善させ国家負債を減少させる努力が重要だ。