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米、まずは北朝鮮を包容...ミサイルはけん制

米、まずは北朝鮮を包容...ミサイルはけん制

Posted May. 11, 2001 12:01,   

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米国のアーミテージ国務副長官は今回の韓国訪問で、韓国に期待と負担を同時に与えた。

金大中(キム・デジュン)大統領の対北朝鮮包容政策への支持と米朝対話の再開方針を表明したことで、米朝関係と南北対話においてかなりの進展が見られるだろう、との期待を抱かせる。しかし同時に戦略的枠組みとミサイル防御(MD)構想に対する韓国の理解と支持を求めたのは、かなりの負担として働くからだ。

政府関係者たちは、ブッシュ大統領が金大統領に送った親書のなかで「金大統領の包容政策を強く支持し、近く完了する対北朝鮮政策見直しの過程で、金大統領の見解を最大限反映する」としたことを肯定的に評価している。

これで、これまで政府が幾度も強調してきた、米朝関係と南北関係を並行して進められる最小限の土台と雰囲気が作られたと見ているからだ。

特に、米国側が今月末頃まで対北朝鮮政策の検討を終え、6月中にも米朝対話に乗り出せば、南北もブッシュ政権の発足以来中断していた閣僚級会談や国防会談、赤十字会談など各種の対話を再開できるものと期待している。

この場合、下半期からは南北関係が全般的に安定した局面に入ることになり、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の韓国訪問に向けた環境作りも一層改善される、と見ているのだ。

しかし、米朝対話の再開がそのまま南北関係の進展につながるかどうかは未知数、とする慎重論も少なくない。

米国が対北朝鮮政策の方向を「包容」の方に転じたとは言え、詳しい内容はまだ知られていないからだ。

さらに、米側が新たに示した「戦略的枠組み」の構成要素である反拡散の概念は、今後、核やミサイル、BC兵器など大量破壊兵器(WMD)問題に米国が積極的に関与することを意味するもので、これはかなりの部分が北朝鮮を念頭に置いた発言だという見方が支配的だ。

鄭鎔碩(チョン・ヨンソク)檀国大教授は「米朝対話が再開してもブッシュ政権が打ち出した検証と相互主義原則に変化が起こるとはいい難い」と述べた。

外交安保研究院の尹徳敏(ユン・ドクミン)安保統一研究部長も「米国はMDを早期に推進する際、ロシアと中国の関係に問題が生じることを懸念し、米朝対話の再開を通じて両国を説得する時間を稼げようとしている」と分析した。

世宗研究所の李鍾ソク(イ・ジョンソク)研究委員は、「米側はこれまで北朝鮮と対話するどころか、MDの推進のために北朝鮮を『無責任な国家』に決め付けていた」とし、「その米国が北朝鮮との対話に乗り出そうとするのは、MDと米朝対話を両立する二重のアプローチ(two−track)方式を取るという意味だ」との見方を示した。

したがって、米国はアーミテージ副長官の韓国訪問を通じて、韓半島の緊張緩和に向けた努力の成果を生かす方向に転換したとはいうものの、米朝の接近がクリントン政権時代のように急速に進むと見るのは性急と言える。米朝対話が再開してもミサイル問題などをめぐり、米国内で再び対北朝鮮強硬論が台頭する可能性があるからだ。



金影植 spear@donga.com