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米朝対話の前途が険しい

Posted May. 11, 2001 12:05,   

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アーミテージ米国務副長官の今回の韓国訪問により、米政府が近く発表するものとみられる対北朝鮮政策の全体像が見えてきた。ブッシュ大統領は、金大中(キム・デジュン)大統領宛ての親書を通じて、韓国の対北包容(太陽)政策を支持し、94年の米朝ジュネーブ枠組み合意を今後も維持する考えを明らかにした。アーミテージ副長官は北朝鮮との対話も近く再開すると語った。

ブッシュ政権の対北朝鮮政策が、このように韓国の立場を支持する方向に転換したのは何よりだ。しかしアーミテージ副長官は、北朝鮮に対する米国の厳格な相互主義の適用と徹底した検証の原則については、別段の政策変化を示唆しなかった。

ブッシュ政権が依然として北朝鮮に対して不信感を抱いており、北朝鮮がこのような不信を払拭するための努力をしなければ、今後の米朝対話は相当の摩擦と葛藤を伴う恐れがある。現時点で、米朝関係への楽観やそれに伴う南北関係の急進展を期待するのは時期尚早だ。

アーミテージ副長官が提示したミサイル防衛(MD)計画は、韓国にとってはかなりの重荷となることは明らかだ。金大統領はMDに対しては支持でも拒否でもない立場を表明したが、米国のプレッシャーの度合いは並々のものではなさそうだ。特に、アーミテージ副長官は大量破壊兵器の非拡散(non−proliferation)、大量破壊兵器の反拡散(counter−proliferation)、MD、そして米国の核兵器削減といった米国の新たな世界戦略の「枠組み」を提示し、関心を集めた。

米国が進めているMD計画への韓半島周辺国の否定的な反応はすでに表面化している。アーミテージ副長官は、さらに大量破壊兵器の反拡散という新たな「火種」を残したと言える。大量破壊兵器反拡散政策は、大量破壊兵器保有国への軍事力動員までも含む攻勢的な概念だというから、北朝鮮や中国がどういう反応を見せるかは火を見るように明らかだ。

その上、米国が北朝鮮のテポドンミサイル発射に備えるため、東海(トンヘ)にイージス艦2隻を配備する計画であるという外信報道について、アーミテージ副長官は否定も確認もしないままソウルを発った。当事国の北朝鮮の反発は想像に難くない。

アーミテージ副長官の訪韓は、ブッシュ政権の対北朝鮮政策に対する韓国の懸念をある程度解消した反面、外交面での重荷も残した。この負担をいかに克服していくかが今後の韓国外交に残された課題といえよう。