Go to contents

飛行機?それとも鳥?...縮小志向の偵察機

飛行機?それとも鳥?...縮小志向の偵察機

Posted May. 23, 2001 11:39,   

한국어

2010年の休戦ライン。猫の額ほどの超小型飛行体が休戦ラインを飛び回りながら、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)軍の動きを漏れなくカメラに収め、送信してくる。この飛行体は、あまりにも小さ過ぎてレーダーにも捕らわれないばかりか、鳥や昆虫とも区別が付かない。

未来のスパイ戦のシナリオだ。超小型飛行体(MAV=Micro Air Vehicle)は、このほかにも保安施設の探知、戦闘やテロ鎮圧へ出動する軍人、スパイには不可欠の携帯品となる見通しだ。

実際韓国においても国防科学研究所(ADD)の研究チームが、99年12月に模型航空機向けのエンジンと無線操縦装置を利用して、重さ95g、大きさ20cmの超小型飛行体を作り、試験飛行を行ってみた。しかし飛行機は10秒余りしか飛べなく、結局研究は中断になってしまった。

今回は政府出資研究所の大御所にあたる韓国科学技術研究院(KIST)が乗り出した。5年計画で12億ウォンをかけて超小型飛行機を制作するため本格的に着手したのだ。開発を始めてから2年も経ってないのにうれしい朗報が入ってきた。KIST超小型飛行体研究チームが、今年4月7日、アメリカのプロリダで開かれた国際超小型飛行体の競技大会で2位を取ったのだ。

携帯電話ほどの重さである130g、大きさ22cmの飛行機は、この頃もソウル洪陵(ホンヌン)近くの韓国科学技術研究院の空を操縦士のリモートコントロールの命令に従って飛行しながら、周辺にある建物や道路の写真をとり、送信している。飛行時間は最大6分。

この飛行機には、自主開発した25gのCMOSカメラが取り付けてある。エンジンは世界で最も小さいリモートコントロールの飛行機用エンジンを輸入して取り付けた。しかし、さらに小さいエンジンを作るため、研究チームは現在5mmのマイクロガスタービンを開発中だ。

研究チームは、10年後には半径3㎞以上の領域を30分以上自力で飛び回りながら、写真をとって転送する重さ100g、大きさ15㎝の超小型飛行体を作るという目標を立てている。

開発責任者の金博士は「超小型航空機の開発で一番難しいのは自己制御チップをつくること」だと話す。このチップに慣性航法装置、位置測定システム(GPS)、羅針盤、速度計、距離計などが入らなければならないので、微小電子機械システム(MEMS)技術の応用が必須なのだ。

MIT出身の若手の期待株、世宗(セジョン)大の安(アン)ジョン教授も長さ15cm、総重量35gの超小型航空機を作っている。安教授は「超小型飛行体には大型飛行機とは全然違う空気力学原理が適用され、翼の面積が大きく、ゆっくり飛ぶ方が有利だ」という。実際彼が作った飛行体は翼が格別に大きい。また飛行体が指ほどの大きさに縮むと、固定翼よりも羽ばたきをする昆虫型の方が効果的だ。

超小型飛行機が初めて登場したのは、92年の湾岸戦争の時。当時米軍は長さ1.5mほどの小型無人偵察機を投入した。これの成功をもとにして米国防総省の国防科学研究所(DARPA)は、97年から大きさ15cm以下の超小型航空機関連の技術開発のため、MITやカリフォルニア工科大学などに4年間3500万ドルの研究費を援助してきた。

先頭走者のアメリカエアロバイロンメント社は、98年に長さ15cmの「ブラックウィドウ」を17分間飛行させるのに成功した。同社は、カリフォルニア工科大学と共同でコウモリの形をしたの飛行体も開発中だ。またカリフォルニア大(バークレー)は、昆虫のように羽ばたきながら飛ぶ大きさ1cmの「スマート蝿」の製作に挑んでいる。

研究チームは、このようなコウモリやハエの飛行機を作るために渡り鳥と昆虫の飛行原理を研究している。渡り鳥はわずか3ー4gほどの体内脂肪を燃料にして3000kmを休まず飛行するからだ。



dongho@donga.com